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巨人・小林誠司は正捕手に返り咲けるか 大城2軍で出番増も「ここで結果を残さなければ...」

   巨人の大城卓三が2022年6月2日、ファームに降格した。捕手でチーム最多の41試合にスタメン出場していたが、5月15日の中日戦(東京ドーム)以降、37打数4安打と打撃不振に。

   不調による2軍降格はプロ5年目で初めて。原監督が就任した19年以降は正捕手を務めていただけに登録抹消の驚きは大きい。代わって山瀬慎之助が1軍昇格した。

  • 小林誠司(写真:ZUMA Press/アフロ)
    小林誠司(写真:ZUMA Press/アフロ)
  • 小林誠司(写真:ZUMA Press/アフロ)

「本人も自分が置かれた立場は分かっているでしょう」

「強肩強打が売りの大城ですが、殻を破り切れていない。今回のファーム降格は原監督の愛のムチでしょう。いつまでも2軍には置かず、気持ちをリフレッシュする意味合いもあると思います。他の捕手は大きなチャンスです。特に小林は今回が正捕手獲りのラストチャンスと言って良いでしょう。ここで目に見える結果を残さなければ、スタメンマスクをかぶるチャンスが少なくなる。本人も自分が置かれた立場は分かっているでしょう」(スポーツ紙記者)

   小林は13年ドラフト1位で入団し、今年がプロ9年目。今月7日に33歳の誕生日を迎える。捕手というポジションを考えると経験を重ねて成熟期と言えるだろう。「阿部慎之助の後継者」と呼ばれていたが、小林の持ち味は偉大な先輩と全く違う。

   投手の持ち味を引き出すことに長けたリード、投球を後ろにそらさないブロッキング技術、12球団屈指の鉄砲型と典型的な「守備型捕手」だ。16年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマーク。高橋由伸前監督の下では正捕手だったが、近年は出場機会が激減している。20年は左尺骨骨折で長期離脱するなど10試合出場のみ。昨季も64試合出場で打率.093、1本塁打、3打点と打撃面の課題が指摘されてきた。

「あの打撃だと正捕手は厳しい」指摘もあるが...

   小林は評価が分かれる選手だ。「あの打撃だと正捕手は厳しい」という指摘があれば、「守備面のプラスアルファを考えれば、多少打てなくても起用し続けるべき」と評価する声も少なくない。

   存在価値は数字だけでは測れない。小林は投手陣が「安心感がある」と信頼を寄せる。もちろん、打撃を磨かなければいけないが、チームを勝たせるのが最大のミッションだ。

   6月2日のソフトバンク戦(東京ドーム)では、その役割を見事に果たした。同学年のエース・菅野智之と開幕戦以来今季2度目のバッテリーを組み、8回無失点の好投を引き出すなど、チームとして今季3度目の完封勝利を飾った。戦いは続く。交流戦はパリーグの強力打線と対峙するが、小林の腕の見せ所だ。

(中町顕吾)