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ちむどんどん「時代考証ミス」発覚 まだ存在しない「ペットボトル醤油」映り込む...指摘相次ぐ

   「醤油って瓶だったよね?ペットボトルじゃなかったと思うんだけど?」――NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」のワンシーンに、視聴者からこんな指摘がツイッターに上がった。

   ドラマの設定上の時代には存在しないはずのペットボトル入りの醤油が、画面に映っていたというのだ。

  • 黒島結菜さん(写真:2019 TIFF/アフロ)
    黒島結菜さん(写真:2019 TIFF/アフロ)
  • 黒島結菜さん(写真:2019 TIFF/アフロ)
  • ペットボトル醤油が登場したシーン

「ちむどんどん、あの当時あんなペットボトルの醤油入れ使ってたんかな...」

   ペットボトル入りの醤油が登場したのは、2022年5月23日の第31回のラストシーンだ。

   ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜さん=25)が故郷の沖縄に住む姉の良子(川口春奈さん=27)に、下宿先の沖縄料理の居酒屋から電話をかけるシーンで、電話中ということでメインとなっていたのは2人の顔の大映しだった。

   2人の会話の最中には、居酒屋の店内を映したカットも挿入されていた。店主の金城順次(藤木勇人さん=61)と娘のトミ(しるささん)が開店準備を進めている場面だ。そのとき、トミの手に握られていたのが、醤油が入ったペットボトルの容器だった。

   このシーンに対し、視聴者からツイッターに

「ちむどんどん、あの当時あんなペットボトルの醤油入れ使ってたんかな...」
「この時代に醤油のペットボトルは無いだろう?」

といった指摘が上がったのだ。

   同シーンの設定は1972年。確かに、それほどの昔であれば、ペットボトル入りの醤油は存在していなかったかもしれない。

   そこで、J-CASTニュース編集部は、1972年時点で日本国内にペットボトル入りの醤油は存在していたかについて、醤油メーカーのキッコーマン(千葉県野田市)の広報担当者に話を聞いた。

ペットボトル入りの醤油は1977年、キッコーマンが初

   ペットボトル入り醤油の流通時期について聞くと、キッコーマン広報は次のように説明した。

「1977年にしょうゆの容器としてペットボトルを採用いたしました。ペットボトルの食品での採用は日本で初めてです」

   導入の理由については、「ペットが耐衝撃性と透明度に優れるとともに、紫外線の透過が少ないなどの特徴を持つ素材だからです」と回答した。なお、PETボトルリサイクル推進協議会のサイトにも、ペットボトルの歴史について、「日本においては、1977年にしょうゆ容器として採用したのが始まりです」との記述がある。

   今回、ちむどんどんでペットボトル入りの醤油が小道具として登場したことに、時代設定がおかしいのではないかとする声が視聴者から上がっている点について、キッコーマンの担当者に聞くと、

「御社からご連絡をいただき、初めて知りました」

と答えた。

   NHKの広報担当者にも聞いた。

   まず、話題となっているシーンで登場する小道具について聞くと、「番組内で使用したのは、ペットボトルの容器に入った醤油です」と認めた。続けて、1972年という時代設定に矛盾するのでは、といった指摘が出ている点を尋ねると、

「ご指摘いただいたご意見については、今後の番組づくりの参考にさせていただきます」

と回答した。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)