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DeNA今永昇太がノーノー達成も... 「もう少し工夫が必要」三浦監督の消極采配に疑問の声

   DeNAの今永昇太が2022年6月7日の日本ハム戦(札幌ドーム)でノーヒットノーランの快挙を達成した。

   大洋時代に鬼頭洋が1970年6月9日のヤクルト戦で達成して以来、球団史上52年ぶり史上4人目の快挙。試合後のインタビューでは、「まさか自分がノーヒットノーランを出来るとは思わなかったですけど。何者でもない一投手の自分を、みんなが導いてくれました。ありがとうございました」と頭を下げ、スタンドから大きな拍手が起こった。

  • 今永昇太(写真:アフロ)
    今永昇太(写真:アフロ)
  • 今永昇太(写真:アフロ)

試合は緊迫した投手戦

   9奪三振のうち見逃し三振が5つ。女房役の嶺井博希が内外角に構えたミットが動かなかったのが、抜群の制球力を象徴していた。最速150キロを計測した直球に、日本ハムの打者は球速以上の体感速度を感じただろう。差し込まれる場面が目立ち、カーブ、カットボール、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球も低めに決まり、的を絞らせない。出塁を許したのは2回2死から清宮幸太郎に出した四球のみ。6回に今川優馬が打った投手強襲の打球も好捕。打者28人を打ち取り、札幌ドームで初のノーヒットノーランを達成した。

   ただ、試合は最後までどちらに転ぶか分からなかった。

   日本ハムも先発左腕・加藤貴之が6回まで無失点の好投。7回以降は堀瑞輝、北山亘基がきっちり締めて、8回終了時点で0-0の投手戦に。9回2死一、二塁で宮崎敏郎の右越え適時二塁打で2点を先制し、今永がノーヒットノーランを達成した。

「個々の選手たちの能力が高いのですが...」

   今季は中日・大野雄大が5月6日の阪神戦(バンテリンドーム)で9回まで走者を1人も出さない完全投球だったが、延長10回2死で佐藤輝明に二塁打を浴びた。この日の今永も0-0のまま延長戦を投げていたら、大記録達成が幻に終わっていた可能性もあった。

「ノーヒットノーラン達成は喜ばしいことですが、DeNAのベンチワークには疑問が残ります。5回に先頭打者の牧秀悟が右前打で出塁しましたが、続く宮崎敏郎は見逃し三振。7回も先頭の蝦名達夫が左前打で出塁したが、牧秀悟が右飛と好機を広げられなかった。

1点勝負は明らかなので、どちらも采配で何か動きがあってもよかった。DeNAは個々の選手たちの能力が高いのですが、得点に結びつかない。接戦を勝ち切るためにもう少し工夫が必要だと思います」(スポーツ紙デスク)

   牧、宮﨑、ソト、佐野恵太と強打者がそろっているDeNAだが、得点はリーグ5位の184得点。チーム打率.249は首位のヤクルトの打率.237と1分以上高いが、得点数はヤクルトが223得点。安打が出なくても得点を取る術はある。DeNAが上位浮上を狙う上で磨かなければいけない課題だ。(中町顕吾)