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佐賀新聞、異例の「YouTuber記者」採用へ 学生から反響...「記者は動画も撮る時代」裏側を聞く

   佐賀新聞社が2022年の採用活動で、初となる「YouTuber記者」を募集している。

   同社によれば、応募者からの反応は上々で、適性を見て配属を検討するという。

  • 佐賀新聞社採用ページより
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佐賀新聞の「アイコン」求む

   佐賀新聞は1884年創刊の地元紙で、長年にわたり佐賀県民の知る権利に応えてきた。

   老舗企業でありながら、"フットワークの軽さ"でも知られる。同業他社に先駆け2008年に「ニコニコ動画」を、09年には「ユーチューブ」チャンネルを開設し、「ITに最も早くから取り組んできた新聞社」とアピールする。

   今年の採用活動では、編集記者や営業、販売、ネット部門、技術職に加え、「YouTuber記者」を初めて募集する。

   毎日新聞の政治部記者がYouTuberとして活動する事例はあるが、新聞社が採用に乗り出すのは異例とみられる。

   採用を担当する総務部の蒲原隆寛さんは2022年6月15日、J-CASTニュースの取材に「新聞社としても動画コンテンツの充実に力を入れたいと思っており、その一環で始めました」と狙いを明かす。

   同社は「新聞記者は記事と写真だけでなく動画も撮る時代」との方針から、記者が取材時に動画を撮影し、ユーチューブに投稿する機会が多いという。

   これまでは論説委員が重大ニュースを振り返る企画はあったが、基本的に記者は表に出ない。一歩踏み込み、YouTuber記者は取材の裏話やニュースの解説などを想定する。

   蒲原さんは「アイコンになるような人がうちの記者から、もしくは新しく採用する方から誕生してくれたら嬉しい」と期待し、「ネットニュースも同様かと思いますが、『○○さん』が書いた記事を読むという時代になっていくと思いますので、地方の新聞社としても記者個人にファンをつけていきたい」と意気込む。

望む人材像は?

   1回目の応募期間では、「受けて下さった大学生から『YouTubeをやってみたい』との声が多かったです。反応としては悪くなかった」と手ごたえを感じた。

   現在、2回目の応募を受け付けている。年齢、学歴は問わない。総合職として採用し、希望や適性を踏まえて任せる予定だ。

「自分自身で何かしら考えがあり発信したいものがある人は向いていると思います。人から言われたものを読み上げるだけですとキャスターと変わらないため、そうでない部分が求められるのかもしれません」(蒲原さん)