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中日・根尾昂の「二刀流継続」に疑問 「投手専念」求める声...起用法に「客寄せパンダ」指摘も

   2022年6月19日の巨人戦。中日は巨人に敗れて同一カード3連勝を逃したが、本拠地・バンテリンドームに詰めかけた大観衆は満足したのではないだろうか。

   球場のボルテージが最高潮に達した場面が、中日が4点ビハインドの9回2死だった。根尾昂が投手交代でアナウンスされると、思わず大歓声が。今季は投手として2試合に登板したが、立浪和義監督が投手転向を決断して初めての登板だった。

  • 根尾昂(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
    根尾昂(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
  • 根尾昂(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「マウンド上の表情がりりしくて自信に満ちていた」

   本拠地のデビュー登板で、相手打者は20、21年と2年連続本塁打、打点の2冠王に輝いた強打者・岡本和真。初球を149キロの直球でストライクを取ると、2球目は外角低めのスライダーで空振り。4球目はボール球に外れたが最速を更新する151キロを計測する。最後は外角高めの149キロ直球で空振り三振に仕留めた。

「投球もそうですが、マウンド上の表情がりりしくて自信に満ちていた。打席に立つ時と別人です。投手としての素材は間違いなく能力が高い。個人的には、今年限定で野手との二刀流という起用法に疑問を感じます。先発投手として大きく育てたいなら、今から投手に専念して技術を磨いた方がいい。客寄せパンダみたいな起用法はやめて、首脳陣も覚悟が必要だと思います」(スポーツ紙デスク)

投手に本格的に転向した根尾だが、今年は野手との「二刀流」を継続。来年から投手一本で勝負するという。実際にこの試合でも岡本を空振り三振に仕留めた後、9回1死一塁で野手・根尾として打席に。相手守護神・大勢の前にオール直球で三球三振に倒れている。

ダルビッシュも絶賛「伸び代しかない」

   投手としての評価は高まるばかりだ。パドレスのダルビッシュ有は現地時間の19日にツイッターを更新。根尾の投球動画と共に、「根尾投手、素晴らしいですね スライダーも一級品です」とツイートした。

   さらに、「引退した元プロ野球選手の方々は少し厳しい意見も多いですがダルビッシュさんからも課題などは多いなという印象はお持ちですか??」というファンからの質問に対し、「プロで投手経験がほとんどないのに、あれだけの球をストライクゾーンに投げられているだけで凄いです!課題というか伸び代しかないなという印象ですね」と絶賛している。

   根尾自身は野手としてもプレーしたい思いがあるかもしれない。だが、投手としての野球人生を見据えた時に、今年の残りのシーズンで「二刀流」を継続することにどれほどの意味があるのか。投手として輝きが増すほど、賛否両論を巻き起こしそうだ。(中町顕吾)