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球界OB「お金でも楽な環境でもない」 それでも秋山翔吾が広島入団決めた理由

   プロ野球ロッテの元捕手で野球解説者の里崎智也氏(46)が2022年6月27日にユーチューブチャンネルを更新し、大リーグパドレス傘下3Aエルパソを退団して広島に移籍した秋山翔吾外野手(34)について言及した。

  • 秋山翔吾選手(写真:AP/アフロ)
    秋山翔吾選手(写真:AP/アフロ)
  • 秋山翔吾選手(写真:AP/アフロ)

西武、ソフトバンク、広島で争奪戦

   スポーツ紙などの報道によると、日本球界復帰を決めた秋山を巡り古巣・西武、ソフトバンク、広島の3球団が獲得に向けて名乗りを上げていた。三つ巴の争奪戦が繰り広げられる中、広島はこの日、公式サイトで秋山と契約することになったことを発表。セ・リーグでのプレーは初めてとなる。

   秋山は10年ドラフト会議で西武から3位で指名され入団。15年にはシーズン216安打を記録しプロ野球新記録を達成した。首位打者、最多安打などのタイトルを獲得し、ゴールデングラブ賞を6度受賞した。

   20年に海外FA(フリーエージェント)権を行使し、大リーグ・レッズに移籍。3年契約の最終年となった今季は開幕ロースターから外れFAとなりパドレスとマイナー契約を結んだ。大リーグでは通算142試合に出場して打率.224、21打点、本塁打なしに終わった。

   里崎氏は大リーグから日本球界への復帰を決めた秋山に対して「夢を追いかけるのもいいが、現実をしっかり見つめて日本、NBP復帰を決断した秋山選手の選択は称賛に価する。自分自身が純粋に野球をしたいという思いが、移籍を長引かせることがなかった」との見解を示した。

   当初、ソフトバンクと西武の一騎打ちの展開になると予想していたという里崎氏は、広島入団の決め手となった理由を以下のように推測した。

「秋山の加入がチームにかなり大きなものをもたらす」

「色々な状況を考えると、松田オーナーが秋山に向けて『2000本安打までもうすぐだね』と。あと(2000本安打まで)500本ちょっと残っている中、秋山に『2000本打つまでうちが面倒を見るよ』と。日米通算でも(2000本まであと)524本。本人も打ちたいでしょうし、秋山の夢も応援しながら自チームの戦力としてしっかり頑張ってもらいたい。『2000本打つまでうちが面倒を見るよ』いうところも秋山にとったら強く響いたのかも」

   また、獲得に名乗りを上げた3球団の中で西武が最も出場のチャンスがあると指摘した上で、秋山がなぜ広島を選択したのかを分析、説明した。

   里崎氏は「ここで考える要素として秋山はチャレンジ精神が豊富。自分の能力を試したい。チャレンジしたい。新しいことにチャレンジとなった時に古巣の西武に帰るのも悪くはないが、同じような環境。ソフトバンクもパ・リーグ。しかも行ったからといって何か確約されているわけでもないし競争」と指摘し、次のように続けた。

「広島はセ・リーグ。秋山にとったら新しい世界観の中で新しい場所で勝負が出来てそれを楽しめる、チャレンジ出来るという部分では、お金でもない、古巣の楽な環境でもない。新しい厳しい環境の中で確実にポジションが空いているわけでもない。若手の躍動もある中でお金でもない、新たなチャレンジ。そしてオーナーも含め球団関係者の秋山の未来に向かって全ての面においての後押し、バックアップ。こういったところが秋山にたぶん響くところがあったんじゃないですかね」

   セ・パ交流戦最下位に終わった広島は、リーグでは3位に付け2位巨人を1ゲーム差で追っている。首位ヤクルトとの差は12ゲーム差まで開いているが、里崎氏は「秋山加入によってより一層攻撃面がアップして鈴木誠也の穴を埋める形にしたい。Aクラス、2位。これから上位に向けて秋山の加入というのはチームにかなり大きなものをもたらす」と秋山効果を期待した。