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ブームに陰り?ワタミ「から揚げの天才」FC企業、「業績に多大な影響」で撤退へ

   名古屋証券取引所(ネクスト市場)の上場企業「アークコア」は2022年6月28日、から揚げ店「から揚げの天才」のフランチャイズ(FC)契約を解除すると発表した。

   同店は、居酒屋大手「ワタミ」が展開する。アークコアは11店舗を運営していた。

  • ワタミ公式サイトより
    ワタミ公式サイトより
  • ワタミ公式サイトより
  • から揚げの天才公式サイトより

1億4900万円の赤字

   アークコアの発表によれば、20年9月にワタミと契約してFCに加盟したものの、22年2月期(21年3月~22年2月)にFC 事業だけで1億4900万円の営業赤字に陥るなど「本事業は当社業績に多大な影響を与えておりました」とする。

   直近の有価証券報告書では、事業リスクとして「テイクアウト主体のから揚げ店は、同ブランド(から揚げの天才)だけでなく他ブランド店舗数も増加しており、競争は激しくなっております」と報告し、セグメント損失の原因に(1)新規出店費の発生(2)店舗売上が想定より大幅に下回った――の2点を挙げていた。

   現在、関東エリアに11店舗出店しているが、FC契約を解除して7月末で飲食事業から撤退する。従業員は、他事業への異動か退職となる。同社は、バイクやフィットネス事業を手掛けており、から揚げの天才は新たな柱として期待していた。

から揚げ専門店の市場は拡大中なのに...

   調査会社「富士経済」によれば、から揚げ専門店の市場規模は21年は1200億円(前年比14.3%増)を見込み、「在宅時間の増加や感染対策に伴う店内飲食の機会低下がテイクアウト・デリバリーの需要を高め」ると分析している。

   日本唐揚協会の22年4月の発表では、この1年間で1256店舗増えて合計4379店舗となり、10年で10倍のペースで急拡大している。