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大阪王将ナメクジ騒動、本部が認めた「ずさんな実態」 食品衛生責任者は異動で不在...猫飼育に害虫侵入も

   中華料理チェーン「大阪王将」は2022年7月27日、仙台市内のフランチャイズ店舗「仙台中田店」で鍋などにナメクジが発生したとされた問題について、社内で調査した結果を公式サイトで発表した。

   そこでは、ナメクジなどは調査で見つからなかったとしたが、「湿気の多い季節に外部からの侵入があった」と店側から報告があったことを明らかにした。

  • 調査結果を公式サイトで発表
    調査結果を公式サイトで発表
  • 調査結果を公式サイトで発表
  • ナメクジが発生したとする投稿(写真は、おとはP@bunkaizyaotohaさん提供)

店の裏口にある出入口のドア2か所は、網戸を付けずに開けていた

   この問題では、元店員の男性が24日にツイッター上で不衛生な状態を告発し、仙台市保健所が翌25日、一報を受けて立ち入り検査を行い、ナメクジ、ゴキブリ、ウジムシは1匹も見つからなかったとJ-CASTニュースの取材に答えていた。

   イートアンドホールディングスが運営する大阪王将では同日、保健所が検査に入り、同社も調査しているとして、調査結果や今後の対応は改めて発表するとしていた。

   そして、大阪王将では27日、「仙台中田店に関する保健所からの調査報告書の受領について」と題して、サイト上で調査結果などの発表を行った。

   それによると、今回の調査では、ナメクジなどの昆虫やネズミは見つからなかったと保健所と同様の説明をしたが、「湿気の多い季節に外部からの侵入があったことが店舗からも報告がございました」と認めた。保健所からは、清掃が行き届いていなかったと指摘を受けていたが、31 日に外部業者による厨房などの清掃を行うと明らかにした。

   店の裏口にある出入口のドア2か所は、コロナ感染防止で換気するため開けることがあったが、網戸が設置されていなかったという。保健所からは、害虫の侵入を防ぐため設置するよう指導があったといい、これらのドアに網戸を付けるとした。また、床に剥がれた部分があるなど劣化がみられるとの指摘も受けており、工務店による改装工事で厨房とホールの床の修繕を行うと説明した。

   使用頻度の高い食器は、棚の外に置いて保管をしていたと明かし、26日に格納棚へ収納したとして、今後は保管場所を徹底するとした。

衛生検査では、飼っていたネコを他の場所に移し、本部も把握できず

   さらに、一部料理の盛り付けについて、厨房ではなく、パントリーと呼ばれる近くの収納スペースで行っていたことを認めた。保健所からは、調理行為になるため厨房で行うよう指導があり、7月26 日に盛り付けのための配置やオペレーションの変更を行ったとした。

   また、客のいるホールと厨房に区画がなかったとして、指導を受けて改装工事でドアを設置することを明らかにした。

   食品衛生責任者について、仙台中田店に3月以降いなかったと保健所から指摘を受けていたが、大阪王将では、実は人事異動のあった21年9月から責任者の変更届を出していなかったと明かした。資格保持者は店内にいるため、この保持者への変更届を27日に出したと報告した。

   店の敷地内では、ネコ2匹が飼われていたことが分かっており、同社では、19 年10月12 日~22 年6月15日まで、店の屋外でネコ飼育していたことを認めた。外部機関による年1回の衛生検査では、他の場所へ移動をしていたため、本部ではその存在を把握できなかったという。警察への届け出も怠っており、保健所から動物の飼育を行わないよう衛生指導を受け、今後は徹底していくという。

   保健所からは、12項目の指摘を受けており、一部実施済みもあるものの、保健所の指導を受けて改善を行い、その内容をまとめた報告書を提出する予定だとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)