ボクシングの米専門メディア「Boxing News24/7」(WEB版)が2022年7月26日に世界バンタム級3団体王者・井上尚弥(大橋、29)の特集記事を公開。「モンスターは無敗で引退出来るか?」などのタイトルで記事を展開し独自の見解を示した。
井上はプロボクサーとしての最終地点を35歳と考えており、無敗でゴールすることが理想だと公言している。一方で「ボクシングはそんなに甘くないスポーツ」とし、今後スーパーバンタム級に階級を上げる際に「階級の壁」にぶち当たる可能性にも言及している。
記事は「無敗で完璧な戦績で引退する世界王者は多くない」との書き出しで、無敗のまま現役を引退した4人のレジェンドを紹介した。
世界ミニマム級で4団体のベルトを巻いたリカルド・ロペス(メキシコ=51勝38KO1分け)、世界スーパーミドル級で4団体を制したジョー・カルザゲ(英国=46勝32KO)、史上初めて無敗のまま世界5階級制覇を制したフロイド・メイウェザーJr(米国=50勝27KO)、元世界ヘビー級王者ロッキー・マルシアノ(米国=49勝43KO)らの名が記された。
一方で米国出身の伝説的ボクサー、シュガー・レイ・ロビンソン(元世界ウエルター級、ミドル級王者)、モハメド・アリ(元世界ヘビー級王者)、ジョー・ルイス(元世界ヘビー級王者)らは結果として敗北を味わったとしている。
12年10月のプロデビュー以来、23勝20KOとほぼ完ぺきな戦績を誇る井上。今年6月にWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン、39)を2回TKOで下し世界3団体王座統一に成功し、次戦はWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、33)との世界4団体王座統一戦が見込まれる。
同メディアはバトラーを軽視していないが、バトラーが井上を混乱させることが出来ると誰も感じていないと指摘。そして井上がバトラーを倒した後、スーパーバンタム級に階級を上げる準備が出来ているとした。
また、現在スーパーバンタム級にはWBA、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、27)とWBC、WBO王者スティーブン・フルトン(米国、28)の2人が王座にそれぞれ君臨しているが、両者が井上に興味を持っていることに疑いはないと指摘した。
そして最後に「想像してみてください。井上が世界4階級を制し、数多くの突出したKO勝利を記録し無敗のまま引退する。将来は殿堂入りをする」と読者に呼びかけ、「井上にこれが出来ないと誰が言えるのか」と締めくくった。