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「SHEIN」でまたも著作権侵害?有名デザイナー怒りの指摘 運営会社「コンプライアンス違反検出・防止に投資続ける」

   中国発の衣料品ECサイト「SHEIN(シーイン)」が販売する商品に、自身の作品に酷似する絵が描かれていた──。日本人グラフィックデザイナーの投稿がツイッターで注目されている。

   同社の商品は安さで人気を博す一方、ネット上では知的財産権の侵害を指摘する声が相次いでいる。日本のPR事務局は取材に対し、コンプライアンス違反検出・防止のために「改善を続けて参ります」と答えた。

  • SHEINウェブサイトより
    SHEINウェブサイトより
  • SHEINウェブサイトより

「早いとこ潰れてくれ~」とデザイナー

   被害を訴えたのは、タイポグラフィをはじめとする作品が国内外で支持されているグラフィックデザイナー「GUCCIMAZE」さんだ。ニッキー・ミナージュさんやポスト・マローンさんといった著名アーティストに提供した実績もある。

   SHEINが販売したとみられる商品をめぐって2022年11月29日、商品ページのスクリーンショットをツイートする形で、自身のタイポグラフィ作品がTシャツのデザインに盗用された疑いを示した。

   元は金色と水色のグラデーションで「THIRSTY」と描かれたもので、GUCCIMAZEさんが2年前にインスタグラムで披露した。一方のTシャツは、作品に酷似した絵が中央に配置され、液体が垂れるような装飾のほか上下に英文が加わった仕上がりとなっている。

   GUCCIMAZEさんは「早いとこ潰れてくれ~SHEIN」と怒りを滲ませ、続く投稿では海外ファンに聞いて事態を知ったと明かす。インスタのストーリーズでメンションを付けて晒したところ、すぐに商品ページが見当たらなくなったとも報告した。投稿は大きく拡散されている。

   SHEIN商品との関係は不明だが、中国発ECサイト「アリエクスプレス」に出店するストリート系ファッションブランド「INFLATION」が同じデザインのTシャツを自社製品として21年に発売していた。現在は販売終了しているものの商品ページは残っており、着用イメージ写真は先の商品と一致する。

   一連の出来事について、J-CASTニュースはSHEINに取材した。

サプライヤーにも「コンプライアンス遵守」求める

   先の商品を販売した事実はあるか、拡散された投稿の受け止め、今後の対応やアリエクスプレスで販売されていた商品との関係などを尋ねたところ、SHEINのPR事務局は12月2日、下記のように回答した。

「SNS上において、弊社商品に関する知的財産権侵害に言及されている件に関しまして、現在正確な情報を把握するため調査を進めております。調査の結果は改めてご報告して参ります。

SHEINではデザイナー、アーティスト、およびいかなる知的財産権も尊重しており、弊社商品に関するすべての知的財産権侵害等のご意見を真摯に受け止めております。

また、弊社に関わるサプライヤーもコンプライアンスを遵守し、第三者の知的財産権を侵害していないことを明らかにする必要があると考えております。万一コンプライアンス違反が発見された場合には適切な措置を講じる所存です。

上記の取り組みをより強化するため、違反検出及び防止のための仕組みづくりに対し、今後も投資を行い改善を続けて参ります」

   GUCCIMAZEさんにも詳しい経緯や受け止めを聞くため取材を依頼したが、5日20時までに返答はなかった。