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乳児用練習歯ブラシのプレートが口に入り...0歳児が「歯茎3cm切れた」 販売の西松屋が対策検討へ、販売は継続

   乳児用トレーニング歯ブラシについて、0歳児が「のど突き防止プレート」ごと口に入れたところ、歯茎を切るケガをしたと、ツイッターで危険性の指摘があった。

   投稿では、プレート周囲の縁にある突起が原因だとしている。商品を販売する西松屋側は、「歯の内側に入る大きさには設計していないが、プレートだけを口に入れれば切れる可能性はあると思う」とし、突起をどうするかは「対策を今後検討する」と取材に明らかにした。

  • この歯ブラシのプレートが口に入った(写真は、mille@mille0906さん提供)
    この歯ブラシのプレートが口に入った(写真は、mille@mille0906さん提供)
  • この歯ブラシのプレートが口に入った(写真は、mille@mille0906さん提供)
  • プレート周囲の縁にある突起(写真は、mille@mille0906さん提供)

プレート周囲に薄くて硬い突起があったという

   ツイッターでは、投稿者の「mille」(@mille0906)さんが2022年12月5日に0歳の子供が事故に遭ったと報告し、西松屋から投稿への承諾をもらったとして、7日に詳細を明かした。

   それによると、子供は、親が見守っている中で、ニコニコしながら歯ブラシを真っすぐにくわえて、プレートごと口の中にはまってしまった。親がびっくりして子供の口からプレートを取り除くと、子供が泣き叫んだため、口を確認した。すると、中が血で染まっており、水でゆすぐと歯茎が3センチほど切れていた。

   すぐに病院に連れて行き、処置してもらったが、切ってから20日経っても歯茎にまだ傷跡が残っているという。

   この歯ブラシは、ブラシの根元に四つ葉のような形をした「のど突き防止プレート」を差し込んで使うようになっている。プレートは、ゴム弾性のあるエラストマーという材質でできている。しかし、プレート周囲に薄くて硬い突起があったといい、投稿者は、その突起で口の中が切れたのが原因だとしている。

   milleさんは9日、J-CASTニュースの取材に応じ、プレートはそもそも口の中に入らないと思っていたと明かした。西松屋に連絡して、歯ブラシを回収してもらい、返金対応も受けたとした。一方、不良品だとの説明はなかったため、製品のリコールを求めたが西松屋は応じなかったという。その理由については、「総合的な判断」との説明だけだったとした。

   歯ブラシについて、milleさんは、実際には子供の口にすっぽり入ってしまったことも含めて、「製造上問題はなくとも設計上の問題にはなりますね」と指摘している。

なぜプレートが口の中に入ったのかは「調査・検証している」

   西松屋は公式サイトで12月9日、「重要なお知らせ」と題して、「お子様がSmartAngel抗菌トレーニング歯ブラシをご使用された際に、付属されております、のど突き防止プレートがお子様の口の中に入ってしまったという事象が発生いたしました」と報告した。そして、「のど突き防止プレートはお子様の口の中に入らないよう配慮した大きさにしておりますが、お子様がSmartAngel抗菌トレーニング歯ブラシをご使用の際は、目を離すことのないようにお願いいたします」と使用上の注意を喚起した。

   乳幼児用品などの店を展開する西松屋チェーン(兵庫県姫路市)の広報担当者は同日、公式サイトのお知らせは、milleさんの投稿を受けたと取材に認めたうえで、投稿の歯ブラシについて次のように答えた。

「歯ブラシを送り返していただき、社内でプレートを確認したところ、通常の突起であり、特段異常は認められませんでした。お子様がプレートをなめたり、触ったりしただけでは、ケガをしないようになっています。歯の内側に入る大きさには設計していませんが、歯ブラシのプレートを口に入れたり、プレートだけを口に入れたりすれば、歯茎などが切れる可能性はあると思います」

   今回なぜ口の中にプレートが入ったのかについては、「どのようにして入ったのか、調査・検証していますので、まだ分かりません」とした。プレートが口に入れば歯茎などを切る恐れもある突起をどうするのかについては、「対策を今後検討していきます」と説明した。

   この歯ブラシは、2017年に発売して、これまでに40万本の販売実績があるが、プレートが口の中に入って起きた事故はこれまでに1件もないという。歯ブラシ製品を回収することについては、「製造上の問題ではありませんので、考えていません。販売も継続します」と否定した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)