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韓国代表DF「日本が羨ましい」発言の背景とは 現地メディアが指摘した「スポーツ政策の脆弱さ」

   サッカー韓国代表DFキム・ミンジェ(26)はなぜ「日本サッカー界が羨ましい」と発言したのか...。

   韓国メディア「NEWSIS」(WEB版)は2022年12月20日、サッカー韓国代表の特集記事を組み、ワールドカップ(W杯)カタール大会の敗戦後にキムが指摘した日韓サッカー界の相違を独自に分析した。

  • キム・ミンジェ選手(写真:PA Images/アフロ)
    キム・ミンジェ選手(写真:PA Images/アフロ)
  • キム・ミンジェ選手(写真:PA Images/アフロ)

「日本には欧州チームの選手が多く競争力がある」

   キムはイタリア・セリエAのSSCナポリでプレーする韓国のスター選手で、W杯では守備の要としてチームをけん引した。カタールから帰国後の12月14日にイタリアに向けて出発。その際、空港で地元メディアの取材を受け韓国サッカー界の現状に言及した。

   韓国メディア「中央日報」(WEB版)によると、キムは韓国選手の欧州進出の難しさを指摘し、代表に多くの欧州組を抱える日本について「羨ましい」と発言し、「日本には欧州チームの選手が多く競争力がある。実際のところ(韓国とは)比較にならない」と日韓の相違を指摘したという。

   「NEWSIS」は、韓国サッカー界の「未来」と呼ばれるキムが永遠のライバルである日本を「羨ましい」と言ったことで波紋が広がり、日本代表の競技力と日本政府のスポーツ政策に注目が集まっていると伝えた。

   同メディアは韓国国会立法調査処がまとめた「日本のスポーツ政策」に関する報告書に基づいて記事を展開した。

   報告書によると、日本がサッカーW杯においてアジアで初めて2大会連続ベスト16入りを果たしたことや昨夏の東京五輪で多くのメダルを獲得できたのは「10年以上続くスポーツ政策によるものだ」としている。

「日本と同じ成績を出したからといって...」

   そして日本の文部科学省は11年から5年単位のスポーツ基本計画を立てており、日本スポーツ振興センターは国家単位で選手を育成していると指摘。さらに世界的なレベルの選手を指導できるコーチを養成するために08年から日本オリンピック委員会(JOC)ナショナルコーチアカデミー事業を運営していると解説した。

   同メディアはこのような日本の取り組みを紹介し、自国のスポーツ政策の脆弱さを嘆いた。「日本は11年からスポーツ基本計画を立て国家戦略として推進してきたが、韓国は政権が代わるたびにスポーツ政策が変更されてきた」と悲観的な論調で指摘した。

   サッカー界では韓国代表MFファン・インボム(26)が、W杯期間中に韓国と日本の環境の相違を指摘し韓国サッカー界に苦言を呈している。

   韓国メディア「東亜日報」(WEB版)によると、ファンは決勝トーナメント1回戦でブラジルに敗れた直後、「日本と同じ成績を出したからといって(韓国が)日本と同じ環境にあるとは思わない」とコメントし、「日本やより良いチームのようにワールドカップで良い姿を着実に見せるには多くのことが変わらなければならない」と主張したという。