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ソフトバンク流出の田中正義はなぜ「プロテクト漏れ」だったのか ドラフト5球団競合も...日ハムOBの見解は

   プロ野球・日本ハムの元投手で野球解説者の岩本勉氏(51)が2023年1月10日にYouTubeチャンネルを更新し、近藤健介外野手(29)のフリーエージェント(FA)移籍に伴う人的補償でソフトバンクから日本ハムに移籍した田中正義投手(28)に言及した。

  • 田中正義投手(写真:アフロスポーツ)
    田中正義投手(写真:アフロスポーツ)
  • 田中正義投手(写真:アフロスポーツ)

「新しい環境で化けるんじゃないか」

   田中は16年ドラフト会議で5球団が1位競合。当時、日本ハムも入札したが交渉権を得ることができず、権利を獲得したソフトバンクへの入団が決まった。

   プロ1年目の17年は右肩の違和感などもあり1軍での登板はなく、18年は10試合に登板して0勝1敗。21年は18試合に登板するも勝ち負けが付かず、昨季は5試合の登板に留まった。プロ6年で34試合に登板して0勝1敗2ホールド、防御率4.25。

   岩本氏は「ずっと追いかけていた選手が他チームに行ってしまったという現実」と16年ドラフトを振り返り、「でもずっと評価は変わっていなかった。いろいろ情報を集めると。やっぱりいい投手だということで今回まさかのプロテクトから外れていた田中正義投手を獲得」と声を弾ませた。

   ドラフト1位ながらプロ6年間で未勝利の右腕。岩本氏はソフトバンクが田中をプロテクトしなかった理由について自身の見解を示した。

   「ホークスからするとあれだけ期待をして、いの一番で指名した選手。クジまで引き当てた選手が、実際成績が出ていないとなった時にプロテクトする根拠がなかったということかな」とし、「ファイターズの評価は変わっていないし指名したころよりも体が強くなって苦い経験も経験済み。新しい環境で化けるんじゃないかという話。化けると思います」と続けた。

田中「連絡を受け正直驚きました」

   田中の投球スタイルを分析した岩本氏は、先発よりもリリーフ向きだと指摘し抑え候補に挙げた。日本ハムは昨季、抑え投手が確定せずシーズン終盤にエース伊藤大海投手(25)が抑えとしてテスト登板した。

   岩本氏は「ファイターズで環境が変わり新しいメジャーテイストの球場でその気になった時には抑えも任せられるんじゃないかな」とし、「ファイターズは抑えがなかなか決まらず困っている。候補はたくさんいる。その中に参戦して競ってみてはどうですか。めちゃくちゃ良いピッチャーになると思っている。ハマれば。ハマる要素はたくさんある」と解説した。

   さらに「そこ(抑え)に納まるかどうかは分からない。でもそこを狙っている選手が多いファイターズ事情で言うと底上げを図れる。皆がそこを狙う事によって数枚のクローザーができるかもしれない。数枚のセットアッパーが作れるかもしれない」と期待を寄せた。

   田中はこの日、球団公式サイトを通じて「連絡を受け正直驚きましたし、まだ心の整理はついていませんが、日本ハムに戦力として選んで頂き光栄に思っています。ホークスの皆さんには、なかなか結果が出ない僕をこれまで支えて頂き、本当に感謝しています」などのコメントを発表した。