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東京タワーが5年連続「春節色」に染まる 点灯式「直前告知」が奏功?反中デモ街宣車は大幅減

   旧暦の大晦日にあたる2023年1月21日夜、東京タワー(東京都港区)で中国の旧正月(春節)を祝う点灯式が行われ、赤色にライトアップされた。春節にともなうライトアップは19年に始まり、今回が5回目。

   例年はライトアップが行われることは事前に発表され、報道各社はライトアップの予定を報じていた。今回、国内の報道機関に告知されたのは前日の20日午前と直前だった。22年のライトアップでは、東京タワー周辺で反中デモが起きたことが影響したとみられる。

  • ライトアップでは、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染めた
    ライトアップでは、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染めた
  • ライトアップでは、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染めた
  • 点灯式ではパンダとウサギのキャラクターが点灯スイッチを押した
  • パンダのキャラクターは「シャンシャン」に扮(ふん)して点灯式に臨んだ
  • 春節にともなうライトアップは今年が5回目だ

返還される「シャンシャン」にちなんだキャラが点灯スイッチ押す

   中国では「ゼロコロナ」破綻で感染者が急増し、水際対策をめぐる日中の対立が続くなかでの春節シーズンの突入だ。「コロナ前」の19~20年の点灯式は、春節休暇で多くの観光客の来日を歓迎する内容だったが、21年から3年連続でコロナ禍の収束を願うメッセージが強調された。

   点灯式では、上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、シャンシャン(香香)の中国返還が2月に迫っていることを受け、中国のSNSで大人気のパンダキャラクターがシャンシャンに扮(ふん)して登壇。「日中平和・友情のシンボル・メッセンジャーとして人々に愛され続けたシャンシャンへ感謝の想いを伝える」という趣向の演出だ。同じく中国のSNSで人気のウサギのキャラクター「テン・テン」らとともに、17時30分過ぎに点灯スイッチを押すと、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染めた。

   モンゴル族シンガーの斯琴格日楽(スチン・グリラ)さんによるパフォーマンスも披露された。

福田康夫元首相「日中間で多くの交流の機会が生まれ、活発になっていくことを期待」

   式典には孔鉉佑・駐日大使や福田康夫元首相がビデオメッセージを寄せた。孔氏は、ゼロコロナ政策からの転換について

「最近、中国はコロナ情勢を踏まえて対策を調整・最適化し、人員の安全、健康、秩序ある国際移動のためより良い条件を整えた」

などと言及する一方で、福田氏は

「新年は1日も早くコロナが終わり、人の交流が復活し、日中間で多くの交流の機会が生まれ、活発になっていくことを期待している」

   などと述べた。ライトアップは「皆様の大きな期待の象徴」だとした。

   直前の告知だったことが奏功したのか、22年に比べて街宣車の数は大幅に減少。点灯式に特段の混乱はなかった。

   ライトアップは1月21日24時(1月22日0時)まで。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)