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「明らかに誤った行動をした」 WBC韓国代表に元大リーガー苦言...エース候補の「落選理由」に不満露わ

   ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が2023年3月に開幕する。1次ラウンドで日本と同組の韓国では、元大リーガーで国内リーグに所属するチュ・シンス外野手(40)のWBC代表選考に関する発言が物議を醸している。複数の地元メディアが1月24日に報じた。

  • チュ・シンス選手(写真:AP/アフロ)
    チュ・シンス選手(写真:AP/アフロ)
  • チュ・シンス選手(写真:AP/アフロ)

「第三者として本当に残念だ」

   韓国メディア「中央日報」(WEB版)によると、チュは米テキサス州の韓国系コミュニティのラジオ番組に出演し、WBC韓国代表の選考について私見を述べた。

   チュが問題視したのは、アン・ウジン投手(23)が代表落ちしたことだ。アンは国内リーグのキウム・ヒーローズに所属する若手で、昨季は31試合に登板して15勝をマーク。防御率2.11、224奪三振はリーグトップだった。

   代表落選の背景にアンの高校時代の暴力問題があるという。高校時代に野球部のチームメイトに暴力を振るったとして大韓野球ソフトボール協会から資格停止処分を受け、規定により五輪、アジア大会などの代表入りが認められていない。WBCは規定対象外となるが世論の反応などから代表入りが見送られた。

   チュは元大リーガーの投手で韓国球界のレジェンドであるパク・チャンホ氏(49)を引き合いにアンの実力を評価。「海外に出ればパク・チャンホ先輩の次にいい選手になれる才能がある選手だ」とし、代表から漏れたことにかんして「理解できない部分が多い。明らかに誤った行動をした。第三者として本当に残念だ」と疑問視した。

「韓国は許しが容易ではないようだ」

   さらに「韓国は許しが容易ではないようだ。誤りを悔い改め、処罰も受けて出場停止も受けた」と主張した。

   地元メディア「ニュース1」(WEB版)は、記事でチュの発言を取り上げファンの反応を紹介した。

   インターネットではチュのアン擁護発言に対して「国民感情に反する選手は国家代表にはなれない」「発言が残念な人だ」など批判的な声が上がる一方で、「ある程度共感できるところもある」との反応も見られたという。

   チュは韓国の高校を卒業後、国内リーグでプレーすることなく大リーグのシアトル・マリナーズと契約。05年に大リーグに初昇格し、その後はクリーブランド・インディアンス(現ガーディアンズ)、シンシナティ・レッズ、テキサス・レンジャーズでプレーし、21年に韓国プロリーグのSSGランダースに移籍した。

   韓国球界において大リーグで16年間プレーしたチュの発言力は強く、今回のWBC代表選考についての意見はファンの注目を集め大きな話題となったという。