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「爆弾を手にしたイスラム教徒」と誤解招く 「金の国 水の国」製作会社、イラスト投稿を謝罪「配慮至らなかった」

   アニメ映画「金の国 水の国」の製作会社・マッドハウスが2023年2月2日にツイッターで、前日に投稿したイラストに「誤解を招く表現」が含まれていたとして謝罪した。

   忍者の道具として知られる「けむり玉」を持った黒づくめのキャラクターの絵に対して、海外ユーザーから、爆弾を持ったイスラム教徒(ムスリム)が描かれているのではないかと批判が寄せられていた。同社は「作品の応援を意図していました」としつつ、配慮に欠けたとしている。

  • 「金の国 水の国」公式サイトより
    「金の国 水の国」公式サイトより
  • 「金の国 水の国」公式サイトより
  • 削除されたイラスト(ツイッターアカウント@Madhouse_Newsのキャッシュより)

「この絵は誤解を招きかねない」海外批判

   1月27日に公開したばかりの同作は、異国情緒あふれる2つの敵国同士を舞台に、偽りの夫婦を演じることになった主人公らが国の未来を切り開こうとする物語となっている。ダブル主演の声を務めるのは、俳優・賀来賢人さんと浜辺美波さん。

   物議を醸したのは、同作を手がけるマッドハウスによる2月1日のツイートだ。

   目元と手以外を黒い布で覆った人物が、「祝公開」と書かれた導火線付きの玉を持ってこちらを見つめている構図のイラストを披露した。キャラクターは神出鬼没の護衛役「ライララ」で、作画監督が描いたものだという。

   しかし、投稿には一部の海外ユーザーから、爆弾を持ったムスリムの女性が描かれているのではないかといった指摘が上がり、「映画やシリーズを見たことがない多くのイスラム教徒にとって、この絵は誤解を招きかねない」「人種差別だ」と英語で批判が寄せられる事態となった。

   同社は2日になって、前日にツイートしたイラストに「不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。キャラクターについて、

「映画に登場する王女の護衛担当で、主人公達を助け、世界を平和に導く、愛すべき人物です。このキャラクターは日本の忍者的な活躍をする存在で、手にしているものは忍者が使う『けむり玉』でした」

と説明し、けむり玉は映画の公開を祝う「祝砲のような意味合い」を表現していたと伝える。そのうえで下記のように詫びた。

「平和の素晴らしさや愛の尊さがテーマの作品の応援を意図していましたが、誤解を招く表現を含んでいたため、一部の方々に不快な思いをさせてしまいました。私たちの配慮が至らなかったことを重ねてお詫びいたします。
該当の投稿は削除致しましたが、今後このようなことが起こらないよう、細心の注意を払い、あらゆる文化圏の方々に留意して参る所存です」