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「クレイジージャーニー」番組Dがプチ炎上 取材された水中考古学者は擁護「トップクラスで仕事しやすかった」

   バラエティ番組「クレイジージャーニー」(TBS系)に出演した、水中(船舶)考古学者の山舩晃太郎氏が2023年2月7日、ディレクターの取材態度をめぐり「プチ炎上」しているとして、長文のメッセージを寄せた。

   山舩氏は不快に思った視聴者に「それは皆様の感想なので私の関与するところではありません」とするも、放送では伝わらなかったディレクターの献身ぶりを明かし、「ある意味研究者第一(学問を思って)の考えだったのではないでしょうか」と庇った。

  • 番組公式サイトより
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番宣「スタッフの無神経な質問に山舩が怒り」

   2月6日の放送では、山舩氏のクロアチアでの沈没船発掘に密着した。2000年前に沈んだ古代ローマの船を調べる国家的プロジェクトで、番組ディレクターが同行した。

   しかし、ディレクターの態度が物議を醸したという。山舩氏は7日にツイッターで「朝起きたらなんと○○(伏字は編集部、ディレクター名)がプチ炎上していた」として意見を長文で述べている。

   SNSに投稿された感想の中には、ディレクターが「今日見つかった物(遺物)って売っちゃったら割と高値になったりするんですか?」と問い、山舩氏が「考古学は皆さんで共有する物なので、売らずに地元の財産としていろんな人と分け合うので、そういう考えはあまりよろしくない」とたしなめるシーンに苦言を呈す声が多くあった。番宣でも「『そういう考えはダメ!』スタッフの無神経な質問に山舩が怒り...何言った?」と煽っていた。

   そのほか、▽プロジェクトリーダーの水中考古学者から「何か質問ある?」と聞かれ「大丈夫です」と返答▽沈没船を発見したダイバーに「船を何回見つけたことあるんですか?」と尋ね、「何を言っているんだこの子は(船はそうそう見つからない)」と笑われる▽見つかった沈没船の木材に興味を示さない▽事前にレクチャーされた内容の質問をしていた――などが、一部でひんしゅくを買っていた。

   山舩氏は「(ディレクターは)発掘期間中、私達研究者の邪魔にならない様に常に気を遣ってくれて、夜も映像の確認等であまり寝ていないのに、食事当番のお爺さんやチームメンバーの片付けの手伝いを率先して行って下さり、円滑に撮影も進めてくれてチームメンバーも皆がとても感謝していました」と裏側を伝え、

「番組内であえてあのような自身のコメントを使った(した)のも、トレジャーハンターの話題や私のマニア度を皆さんに伝えてくれようと彼女なりにとても考えてくれていたからだと思います。ある意味研究者第一(学問を思って)の考えだったのではないでしょうか」

と批判を招いた箇所は、視聴者目線にこだわったからではないかと慮った。

「情熱を持って撮影をして下さった」

   不快に思った視聴者には「それは皆様の感想なので私の関与するところではありません」と否定はせず、「ただ私たち研究チームは彼女(クレイジージャーニーという番組)に対して嫌な思いは全くしていなかったという事はご理解下さい」と出演者側の考えを打ち明けた。

   「クロアチアの研究者達に対し最後まで緊張してばっかりで、マイクを向けられたら言葉が出てこなかったり、質問をふったら無口になっちゃっていた所は、もう少し慣れていただきたいです(笑)」と笑いを交えて要望も伝えているが、研究者の間ではそんな不慣れな姿も好印象だったという。

   山舩氏はこれまでにテレビや雑誌の取材を複数回受け、このディレクターは「トップクラスで仕事しやすかったです」「情熱を持って撮影をして下さった」と最大限の賛辞を送った。

   ディレクター以外にも、番組のプロデューサーやアシスタントの仕事ぶりには目を見張るものがあり、「とてもやり易かったですし、番組作成に対する情熱を感じられて嬉しかったです。分野は違えどマニア同士だなぁと感じました。改めて今回は水中考古学に注目していただきありがとうございました」と感謝している。

   最後は「昨晩は一視聴者としてとても楽しく放送を観させていただきました」と締めくくっている。