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「このレバー生でいける?」聞く客に焼肉屋苦言 「店だけが損する」投稿の真意は...経営者に聞いた

   「このレバーって生でいける?」。客からのこんな質問に、群馬県にある焼肉・ホルモン店がツイッターで「本当にやめた方がいい」と苦言を呈した。牛・豚の生レバー提供は法律で禁止されている。

   同店の経営者が、2023年2月22日のJ-CASTニュースの取材に投稿の真意を語った。

  • 「ホルモンしま田」で提供されているレバー(同店提供)
    「ホルモンしま田」で提供されているレバー(同店提供)
  • 「ホルモンしま田」で提供されているレバー(同店提供)
  • 「ホルモンしま田」のツイッターより

「店員に言うの本当にやめた方がいい」

   事の発端は、登録者数47万人超のYouTubeも運営し、ホルモンの魅力や捌き方などを動画で紹介している焼肉・ホルモン店「ホルモンしま田」(本店・前橋市)による20日のツイッター投稿だ。

   同店は「焼肉屋の本音いいます」と切り出し、牛・豚のレバ刺し(レバーを生で食べる料理)は法律で禁止されているにも関わらず、「このレバーって生でいける?」という質問があることについて、「未だに店員に言うの本当にやめた方がいい」と訴えた。

   また、「今だに言う人いると毎回恥ずかしくなってしまう」とも述べた。続く投稿では、「最近は加熱前提だから、まな板使い分けない場合もある」とリスクを指摘している。

   厚労省公式サイトによると、2012年7月から牛のレバーを生食用として販売・提供すること、2015年6月から豚レバーをはじめとする豚の肉や内臓を生食用として販売・提供することが、食品衛生法に基づいて禁止されている。

   厚労省は、生の牛肝臓(レバ刺しなど)を食べることについて、牛の肝臓の内部からは腸管出血性大腸菌が検出されており、十分に衛生管理を行った新鮮なものでも、生で食べると食中毒が発生することがあると説明している。豚の生食についても、E型肝炎ウイルスに感染するリスクなどがあるとしている。

   今回の投稿に対し、SNS上では「肉屋ですが、ウチも同じです」「あーいけますよ!って言うわけないのになんで聞くんですかね?」などの感想が寄せられている。

「お店だけが損する質問」

   「ホルモンしま田」を経営するブッチャーしまださんは22日、J-CASTニュースの取材に対し、「このレバーって生でいける?」という質問は「お店だけが損する質問だなと思って今回投稿しました」と、経緯を説明した。

   生で食べられますと答えた場合、「お店が悪くなる」。生で食べられませんと答えた場合、「鮮度が悪いみたいに思われるのも嫌だ」。こうした葛藤が質問されるたびにあるという。

   「このレバーって生でいける?」と尋ねられることは「正直よくある」と明かすブッチャーしまださんは、こうした利用客に対し「当店のレバーは加熱用ですので中まで火を通してお召し上がりください」と伝えている。

   ブッチャーしまださんは、「きっと多くの焼肉店ではレバ刺しを提供していた頃と同じ品質のレバーを提供しているはずです」とも話す。ただ、「国からレバーの刺しでの提供を禁止されている以上お店としてはそれに従わないといけません」とした。

   ブッチャーしまださんは「禁止されているのであれば、加熱して美味しい食べ方を考えていきたいです」とし、「今後技術が発展して安全なレバ刺しが食べられるようになることを期待しています」と述べた。