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「日本は友人であり、非常に重要な国」 駐日ウクライナ大使、岸田首相のキーウ訪問「強く望む」

   ロシアによるウクライナへの侵攻が始まって丸1年になる2023年2月24日、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使らが東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。物資の支援や避難してきたウクライナ人の受け入れ、対ロ制裁などを念頭に「日本の皆さんに対する適切な感謝の言葉が見つからない」と述べた。

   米国のバイデン大統領が2月20日に首都キーウを訪問したことで、主要7カ国(G7)で首脳がキーウを訪問していないのは日本のみ。コルスンスキー氏は「訪問が実現することを強く望んでいる」と述べた。日本は23年5月には議長国としてG7広島サミット(首脳会議)を開催予定。ゼレンスキー大統領が出席すれば国際社会に強いメッセージを打ち出すことになる。コルスンスキー氏は、ゼレンスキー氏の参加は「非常に重要」だとして、仮に招待があれば戦況や保安面を踏まえて「徹底的に議論することになるだろう」と話した。

  • ウクライナ侵攻から丸1年になるのを機に記者会見が開かれた。左から米国のラーム・エマニュエル駐日大使、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使、欧州連合(EU)のハイツェ・ジーメルス駐日臨時代理大使
    ウクライナ侵攻から丸1年になるのを機に記者会見が開かれた。左から米国のラーム・エマニュエル駐日大使、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使、欧州連合(EU)のハイツェ・ジーメルス駐日臨時代理大使
  • ウクライナ侵攻から丸1年になるのを機に記者会見が開かれた。左から米国のラーム・エマニュエル駐日大使、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使、欧州連合(EU)のハイツェ・ジーメルス駐日臨時代理大使
  • 会見冒頭には多くの大使が駆けつけた。左から英国のヘレン・スミス駐日首席公使、リトアニアのオーレリウス・ジーカス駐日大使、米国のラーム・エマニュエル駐日大使、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使、欧州連合(EU)のハイツェ・ジーメルス駐日臨時代理大使、スウェーデンのペールエリック・ヘーグベリ駐日大使

キーウ訪問は「非常に安全な形でできると確信」

   G7広島サミットでは、ウクライナをめぐる問題が大きな議題になるとみられる。岸田氏のキーウ訪問について、コルスンスキー氏は「いつ行くかは彼と日本政府次第」とする一方で、「G7議長国の首脳が現地を訪問して自分の目で見ることはきわめて重要」と指摘した。

   多くの首脳がすでにキーウを訪問していることから、岸田氏の訪問も「非常に安全な形でできると確信している」として、

「訪問が実現することを強く望んでいる。日本は友人であり、非常に重要な国。その国の首相がウクライナを訪問することは非常に重要だ」

と述べた。

   ゼレンスキー氏のG7広島サミット参加は、「非常に重要」で、日本とウクライナには原子力災害という共通点があることを念頭に「象徴的」だとも述べた。

   ただ、それが実現するかについては

「これは二国間の問題ではなく、G7の間で調整されるべき問題」
「議論する価値があり、非常に慎重に検討する必要がある」
「もし招待があれば、日本政府や他のパートナーたちと、どのようにすればよいかを徹底的に議論することになるだろう」

などと述べた。

クレバ外相のG7外相会合参加は「非常に前向きな動き」

   ただ、ドイツ・ミュンヘンで2月18日に開かれたG7外相会合にウクライナのクレバ外相が参加したことを「非常に前向きな動き」だと評価。G7広島サミットにともなって行われる閣僚級会合にはウクライナの閣僚も招待されていることを明らかにした。

「ウクライナ政府の閣僚は、すでに日本側から閣僚級会合に招待されていると承知している。G7には多くの閣僚級会合がある。日本はすでにウクライナ人を招待し始めた。これは非常に重要なことだ」

   「決定があるまで粘り強く待つ」と、ウクライナとしては「招待待ち」の状態。招待を前提に、戦況や保安面を踏まえて検討を進める考えだ。

   会見には米国のラーム・エマニュエル駐日大使と欧州連合(EU)のハイツェ・ジーメルス駐日臨時代理大使も登壇。次々にウクライナへの連帯を呼びかけた。