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ダイソー、「商品パクリ」報道を否定 デザイン会社代表が訴え→SNS拡散も「権利侵害するものではない」

   100円ショップ「ダイソー」に自社商品を模倣された――。デザイン会社代表のこんな訴えが、SNSで拡散された。

   一部メディアも報じるまでの事態となったが、ダイソー側は「権利を侵害するものではないと確認しております」と疑惑を否定する。

  • PAPELANTS(プレスリリースより)
    PAPELANTS(プレスリリースより)
  • PAPELANTS(プレスリリースより)
  • ダイソー商品「ペーパーカクタス」

「これはやばすぎる。まじかよ」

   この代表は2023年1月中旬、自社のインテリアブランド「PAPELANTS (パペランツ)」が、ダイソーに模倣されたとツイッターで主張した。サボテンの形をしたペーパークラフトで、21年4月から発売している。

   22年9月発売のダイソー商品「ペーパーカクタス」のパッケージ写真とともに「ダイソーが完全うちの商品パクってきたのだけど。これはやばすぎる。まじかよ」と確信めいた言い回しで被害を訴え、「これもう完全にパクってるな」「うちのPAPELANTSの劣化版という感じ。よく見ると説明の文面とかもそのまま引用したりしていて確信犯」と恨み骨髄に徹す。

   パペランツのパッケージには、「現在のライフスタイルの中で、植物の新しい形を提案する植物屋です。すべてが紙でできているこのPAPELANTSの植物は、ペーパークラフトのように組み立てることで、インテリアアイテムとしてお使いいただけます。糊もテープもハサミも必要なし。水も要らず、お手入れも不要。どこにおいても枯れずに生き続けます」と書かれている。

   一方、ペーパーカクタスは「自分でつくる、水の要らない観葉植物」とのキャッチコピーが踊り、裏側には「サボテンの形をした、紙でできたインテリアアイテムです」「水やり不要、枯れることがなくどんな環境でも生き続けます」「水をあげる感覚でアロマオイルを垂らして香りを楽しむことができます」などと説明がある。

「何かしらで制裁したい」

   同様のコンセプトを持つ2商品だが、代表の目には「パクリ」と映ったようだ。一連の告発は広く拡散し、「どうしてこんな企画が通ってしまうのだろうか?」などと非難が集中した。

   ネットメディア「ガジェット通信」は「ダイソーがどのような対応をとるのか不明だが、Twitter上で拡散し続けているため、注目度が高まっている状態だ」とダイソーの見解なしに伝え、騒動はさらに過熱した。

   記事によれば、代表は「ダイソーってほんとパクリ商品多い」と模倣行為の常習性に言及し、「何かしらで制裁したいと思ってる」とも投稿していた。

   しかし、2016年に「ペーパーカクタス」という商品名のカプセル玩具が発売されていたことがわかると、告発に懐疑的な見方が寄せられ始めた。こちらもサボテン型のペーパークラフトだ。「カクタス」(cactus)は日本語でサボテンを意味する。そのほか、「paper cactus」で調べると、海外製のペーパークラフトが多数見つかった。

カプセル玩具「ペーパーカクタス」
カプセル玩具「ペーパーカクタス」
paper cactusの検索結果
paper cactusの検索結果

   代表のツイッターは、その後「非公開アカウント」(鍵アカ)となっている。

   J-CASTニュースは1月20日、ダイソーを運営する大創産業に取材をすると、2月20日に「当社では、商品製造段階で権利侵害等の確認を行いながら商品化を行っております。当該商品に関しても権利を侵害するものではないと確認しております」と答え、疑惑を否定した。

   代表の会社にも取材を申し込んだが、期日までに回答はなかった。