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ぬいぐるみで姿勢をサポート...「着眼点素晴らしい」健康グッズに反響 なぜかわいく?広報明かす誕生秘話

   机にしがみつく動物のぬいぐるみがSNSで注目を集めている。ウサギ、クマ、ナマケモノ、オランウータンの4種が、両手で机を掴み落ちないようにふんばっている。猫背の人に向けて販売された商品で、ぬいぐるみたちを机とお腹の間に挟むことで、自然に背筋を伸ばしやすくなるという。

   J-CASTニュースの取材に対し、販売するドリームズ(東京都新宿区)の担当者は2023年2月27日、社内スタッフも業務中や会議中に愛用していると述べる。

  • 机にしがみつく動物のぬいぐるみ「ふんばるず」
    机にしがみつく動物のぬいぐるみ「ふんばるず」
  • 机にしがみつく動物のぬいぐるみ「ふんばるず」
  • クマ、オランウータン、ウサギ、ナマケモノの4種
  • 社内スタッフも業務中や会議中に愛用
  • 芯材はハートのクッション
  • オラウータン
  • クマ
  • ナマケモノ
  • ウサギ
  • 小さめのSサイズとMサイズも発売予定

「仕事や会議に臨んでいる姿は、周りから見てもかわいらしく、癒される」

   ドリームズは1日、「ふんばるず」を発売した。商業施設や雑貨店などで取り扱われており、大きさは高さ15センチから21センチほど。ふかふかな毛並みをしている。使用感には個人差があるというが、机とお腹でぬいぐるみをしっかりと挟み込むことで、自然に背筋が伸び、良い姿勢づくりに役立つとしている。値段は税込み2970円。

   あるツイッターユーザーが24日、「着眼点が素晴らしい」などと紹介したことをきっかけに注目を集めた。この投稿は27日19時までに、1万6000回以上リツイートされ、5万6000件以上の「いいね」が寄せられる大きな反響があり、「かわいい」「めっちゃほしい」といった声が広がっている。

   取材に対しドリームズの広報担当者は、国内外から多くの注文が寄せられていると明かす。公式オンラインストアでは、1週間で累計1000個以上の注文があったそうだ。社内でも愛用者がおり、次のような感想が寄せられているという。

「中に入っているハート型のクッションが、良い姿勢をサポートしてくれるため、仕事中の疲れなども軽減されたように感じます。 ぬいぐるみをお腹に挟んで、仕事や会議に臨んでいる姿は、周りから見てもかわいらしく、癒されるという声が多いです」

机から落ちないように試作を重ねる

   広報担当者によれば、「猫背の矯正器具とかはガチすぎるのと見た目が可愛くないのであまり使いたくなかった」といった声を参考に、「もっと楽しく猫背を治すことができる物があったら」という思いで開発を進めたという。

「特にデスクワークで働く女性をターゲットに、健康的になれるかわいいグッズとして、健康雑貨なのにデスク周りに置いてあっても自然に馴染んで素敵な空間になるものを作りました」

   キャラクターにはそれぞれ名前や性格などの設定がある。例えばウサギは「ホップ」と名付けられており、飼い主のお腹の上でなければ眠れない甘えん坊。マシュマロが大好きでにんじんは大の苦手だそうだ。

「机の上でふんばっている姿や自身もちょっと猫背になってしまっている姿が愛らしく見えるキャラクターを選定しています。ぬいぐるみの定番であるウサギやクマは企画の早い段階で決まりました。ナマケモノとオランウータンについては、働く女性に癒しを感じて頂けるような、ゆるくて可愛らしく、思わず撫でてしまいたくなるキャラクターとして選定しております」

   企画案や実際のサンプルは、社内でも好評だった。一方で、ぬいぐるみたちが机から落ちないようにバランスをとるのは大変で、何度も試作を重ねた。動物の種類によっては、「上手くふんばらなかったり、あまりかわいくない表情の子ができてしまった」という。

姿勢を支える芯材から生まれた物語

   姿勢を支えるための芯材も大いに悩んだという。最終的にはハート形のクッションを使用し、「あなたを見守り、猫背なあなたを支えてくれるハートを持ったふんばるず」というストーリーが生まれた。

「ただのぬいぐるみだと思われないよう、機能的な部分を追加するにはどうすればいいか社内で何度も話し合いました。中にただのボールが入っていても現実的すぎて、手に取った方も引いてしまうと思いますし、この商品らしい仕様にするために試行錯誤しました」

   ふんばるずがSNSで話題になったことについては、次のように受け止める。

「機能性の他、ぬいぐるみの表情やふんばっている姿がとてもかわいらしいというお声も多く頂くので、表情や全体のバランスなど、細部までこだわりを持ってデザインさせていただいた部分をご理解いただき、大変嬉しく思います。」

   3月には小さめのSサイズとMサイズの発売も予定しており、ネコやブタなど7種の新たなキャラクターが登場する。

「ラインナップについては、『こんな動物が欲しい』『この子の大きいサイズを作ってほしい』といったたくさんのアイデアやご意見をいただいておりますので、今後の展開の際にぜひ参考にさせていただきたいと思っております」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)