J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

絵本「モチモチの木」Tシャツが売れ行き絶好調 バンダイ担当者「予想していなかった」と驚き、ヒットの要因は?

   「これは欲しくなる」「懐かしい」――。そんな声がSNSで相次いだのは、小学校の国語教科書に長く掲載されている絵本『モチモチの木』の表紙絵がプリントされたTシャツ。しかも、四次受注を開始するほどの売れ行きを見せており、驚く声も上がっている。

   販売元である玩具大手・バンダイの開発担当者は2023年3月2日、J-CASTニュースに対し、売り上げは好調だとして「作品の魅力はさることながら、やはりSNSのおかげだと思います」と人気の理由を説明した。

  • モチモチの木Tシャツ(バンダイ提供)
    モチモチの木Tシャツ(バンダイ提供)
  • モチモチの木Tシャツ(バンダイ提供)
  • モチモチの木Tシャツ(バンダイ提供)
  • モチモチの木Tシャツ(バンダイ提供)

「小学校の図書館の本で真っ先に思いだす」

   発端は、とあるツイッターユーザーによる2月21日の投稿だ。版画家・切り絵作家の滝平二郎氏の絵で有名な『モチモチの木』の表紙絵がプリントされたTシャツを紹介し、3月3日までに4300件以上のリツイートや8600件以上のいいねを集めるなど、話題になった。

   登場人物の「豆太」を「じさま」が抱きしめる有名な表紙絵。これが大きくプリントされており、「小学校の図書館の本で真っ先に思いだす」などの懐古や「普通に欲しい」などと購入に前向きな声が相次いだ。商品は2月13日から四次受注を開始しており、売れ行きに驚く声も見られた。予約受付は3月12日23時に終了する。

   バンダイの情報サイト「バンコレ!」では、「全世代待望のファッショナブルアイテム」と紹介される。今回話題になったTシャツ以外にも、『モチモチの木』の表紙絵が箔プリントされたTシャツや、暗闇で発光する素材を使ったTシャツの全3種類が販売され、価格はいずれも税込4400円だ。大人、子ども両方のサイズを揃える。デザインは出版社などから公認されている。

   そもそもどのような経緯で開発されたのか。バンダイのファッションブランド事業部・モチモチの木Tシャツ開発担当者は3月2日、取材に対し経緯を次のように述べた。

「より多くの人に着たいと思ってもらえるTシャツを企画すべく、より多くの人が知っているであろう作品を模索していた際に、小学校の教科書の作品をフィーチャーすることを思いつきました。そしてその中でも特に印象に残っている作品はなんだろうかと考えた結果、たどり着いたのがモチモチの木です」

   実際に着るとかなり目立つため、「SNSでも話題になるだろうな」という狙いもあったという。そして、19年5月8日~19年5月26日の期間限定で予約販売した。

「話題になることで情報が拡散され、多くの人が認知してくれる」

   19年5月に一次受注を行い、23年2月には四次受注まで行うモチモチの木Tシャツ。開発担当者は、売り上げについて「四次受注までの累計で、私自身予想していなかったほど売れています。絶好調です」と明かした。

   30代後半~40代前半の男性が主な購入層で、女性ユーザーも少なくないとした。「オンライン販売なので直接的な反響はわからないのですが、検索する限り、みなさんノスタルジーを感じてくれているようです」。

   なぜ好調な売れ行きを見せているのか。作品の魅力によって人気になっている一方、SNSの影響もあると開発担当者は指摘する。「見つけた人、買ってくれた人がSNSで発信したくなるような商品だと思いますし、そこで話題になることで情報が拡散され、多くの人が認知してくれる、それがヒットの要因だと考えています」と説明した。

   SNS上での大きな反響になったことについては、「このTシャツをきっかけに、みなさんまたモチモチの木を読んでくれたらいいなと思っています。いい話です」と述べた。

   バンダイは、こうした商品開発に取り組む理由について「総合エンターテイメント企業ですので、驚きを含めユーザーの方が楽しんでいただけるようなアイテムを日々考えております。ですので従来のイメージにとらわれない、新しい分野でのアイテムの一環として展開させていただきました」と明かしている。