J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「撮り鉄が線路内に」異例の車内放送繰り返し 一体何が?京王電鉄に聞いた

   東京都内の京王電鉄・京王線で、「撮り鉄が線路内に立ち入った」などと車内アナウンスが繰り返し流れたと、ツイッターに動画が投稿された。

   線路立ち入りの影響で上下線が最大11分ほど遅れ、何があったのかと関心を集めている。京王電鉄に当時の状況について話を聞いた。

  • 鉄道ファンらが線路脇に立ち入って…(写真はイメージ)
    鉄道ファンらが線路脇に立ち入って…(写真はイメージ)
  • 鉄道ファンらが線路脇に立ち入って…(写真はイメージ)
  • 試運転の電車が鉄橋上でストップ(写真は、万条由衣@fkekotanさん提供)

電車の車掌らは、鉄道ファンの行為に怒っていた?

   「4分少々遅れましたことをお詫びいたします」。京王線の電車内で、こんなアナウンスが流れ、続いて、次のようにその理由を伝えた。

「中河原―聖蹟桜ヶ丘駅間で、線路内に写真撮影者、撮り鉄が線路内に立ち入った影響で、一時運転を見合わせた列車がありました。この影響で、遅れが生じております」

   この動画は、2023年3月8日午後にツイッターに投稿された。

   投稿では、駅に停車しようとする度にアナウンスが流れたことから、電車の車掌らが鉄道ファンの行為に怒っているのではないかと推測した。

   この車内放送について、ツイッターでは、同様な報告が次々に寄せられ、「キレ気味のアナウンスはいって草生えた」などと話題になっている。

   また、線路立ち入り直後とみられる時間に、中河原―聖蹟桜ヶ丘駅間にある多摩川橋梁に電車が止まり、後続の電車が鉄橋上で接近して停車する様子を撮った動画も投稿された。

   鉄道ファンの線路立ち入りについて、京王電鉄の広報部は9日、J-CASTニュースの取材に対して状況を説明した。それによると、8日の15時30分ごろ、両駅間を走行中の7000形の電車が下り線で試運転をしていたところ、撮り鉄とみられる複数の男性が多摩川橋梁上の側道に立ち入っているのを運転士が見つけた。ここは、線路のすぐ横で鉄道敷地内にあり、立ち入り禁止場所だった。

「怒ったのではなく、状況をつぶさにお客様に説明するため」

   鉄道ファンの男性らを見つけると、電車の運転士は、非常警笛を鳴らすとともに、防護発報操作を行って非常停止した。この操作によって、上下線で付近の電車も止まった。

   立ち入った男性らは、警笛後に逃走したという。京王電鉄で警察に通報したかどうかについては、「まだ確認できていません」としている。

   試運転の電車は、線路内の安全確認を行い、7分強経って運転を再開している。この影響で、上下線で最大11分ほどの遅れが出た。

   「撮り鉄が線路内に」とのアナウンスについては、影響を受けた一部の電車の車掌が複数回行っていたという。このことについて、京王電鉄では、次のように説明した。

「車掌は、立ち入りに怒っていたというわけではなく、状況をつぶさにお客様に説明しようとしてアナウンスしました。電車の遅れをお詫びする際に、『線路内の人立ち入り』と言うべきところを今回の表現にしてしまいました。必要以上にしつこかったと感じられたお客様がおられたとすれば、不快な思いをさせてしまったことにお詫びしたいと思います」

   なお、鉄道ファンが撮ろうとした7000形は、ステンレスカラーにピンクとブルーのラインが入った通常の京王線の電車だという。なぜわざわざ立ち入りまでして狙ったのかについては、「試運転が珍しかったからではないかと思います」との見方を示した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)