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「一日1トン近くも」花見客がゴミ大量放置 岡山名物イベントの惨状拡散...運営側の見解は

   岡山市内の中心部で開かれた「岡山さくらカーニバル」で、一部の花見客が放置した大量のゴミの写真や動画がツイッターなどに投稿され、拡散している。

   中には、バーベキュー後に炭火が点いたまま放置された焼き台もあった。ゴミを持ち帰ってもらおうと、ゴミ置き場が今回初めて設置されなかったが、その影響もあったのだろうか。

  • 放置された大量のゴミ(写真は、実録スピチューブ提供)
    放置された大量のゴミ(写真は、実録スピチューブ提供)
  • 放置された大量のゴミ(写真は、実録スピチューブ提供)
  • 炭火が点いたままの焼き台(実録スピチューブが投稿した動画から)
  • ゴミ置き場が設置された2018年の様子(写真は、実録スピチューブ提供)

炭を捨てた跡もいくつかあり、草が焼けて黒くなった場所も

   ブルーシートが敷かれたまま、その上や周辺に、食べた後の容器やゴミ袋などが散乱している。

   大人数でバーベキューをしたらしく、イスも6つぐらい放置されていた。ブルーシートの脇には、焼き台もあり、赤々と炭火の炎が見えて...。

   こうした状況は、岡山の情報を発信しているユーチューブチャンネル「実録スピチューブ」(@spitube_broadcasting)が2023年4月10日までに動画やツイッターに投稿した写真で伝えた。

   カーニバル会場内を歩いて報告しており、あちこちにゴミが大量に放置されていた。異臭がしたといい、多数のカラスがゴミを漁っていた。バーベキューの網や木炭の箱などのほか、折れた桜の枝やショッピングカートまであった。使用後の炭を捨てた跡もいくつかあり、草が焼けて黒くなった場所も見られた。

   岡山さくらカーニバルは、3月31日から4月9日までの日程で、岡山城や日本三名園の一つとされる後楽園のそばを流れる旭川沿いの河川敷で開かれた。コロナ禍で中止が続き、4年ぶりの開催だった。旭川沿いは、約1キロにわたって250本ほどのソメイヨシノが咲き、テントの飲食店約50店が並んだ。

   現場の状況を報告した実録スピチューブの担当者は4月11日、J-CASTニュースの取材に応じ、4年前の前回まではゴミ置き場が設置されていたが、ゴミの放置状況は変わらなかったという。会場には、ゴミが山のように積まれていたと当時の写真も示した。ゴミ置き場を今回なくしたことについては、「4年ぶり、試験的な感じで持ち帰り実施や来場者を信用してのルールだったのでしょう。無料回収場を設けてもそのままの放置は変わらないと思います」と一部客のマナーの悪さを嘆いている。

「多くの皆様が協力して下さり、ゴミを持ち帰ってくれた」

   カーニバル実行委員会がゴミ処理を委託している岡山市内の業者は4月11日、取材に対し、ゴミ放置の状況をこう話した。

「以前は、ゴミ置き場が山のようになっていましたから、今回は持って帰った人が多かったと思います。しかし、散らばっているゴミは、毎回変わらず、週末の多い日で1トン近くも出ています」

   バーベキュー用の焼き台やイスなど、捨てていいか分からないものは、一時保管していたが、最終日にはすべて処分したとしている。

   一方、会場そばの後楽園の事務所は同日、取材に対し、駐車場の横にある自販機の脇に置いたゴミ箱にバーベキューで使った容器などのゴミが山積みになっていたと明かした。

「ゴミ置き場がなくなった影響もあったのでしょう。4月1日夕方に、『ゴミを置かないで下さい』と看板を立てました。それからは、ゴミの放置は少なくなりました」

   実行委の事務局がある山陽新聞社の事業本部は11日、取材に対し、次のように説明した。

「4年前は、ゴミ置き場を5か所設置しましたが、皆が捨てて行くので、ゴミは持ち帰ってもらおうと、今回は置き場をなくしました。テレビのテロップなどでお知らせを流していましたが、『告知していない』とお叱りを受け、周知できずに反省しています。しかし、期間中に前回並みに近い7万人の方が来て下さった中で、多くの皆様が協力して下さり、ゴミを持ち帰ってくれました。ゴミの放置が多い日で1トン近くあったというのは、まだ把握していません。確かに、炭で焼かれたような跡は、地面に散見されましたが、マナーはよくなったと思っています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)