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女性トイレに「おやじの相手してあげて」の掲示物 居酒屋チェーン・養老乃瀧が撤去&謝罪「認識甘かった」

   「おやじが喜ぶお店にご来店いただきありがとうございます」――居酒屋の女性用トイレの掲示物が「気持ち悪い」などとSNS上で物議を醸した。

   「一軒め酒場」など居酒屋チェーンを展開する養老乃瀧(東京都豊島区)は2023年5月23日、グループ公式ツイッターアカウントで謝罪し、掲示物は撤去したと発表した。

  • 養老乃瀧公式ツイッターアカウント
    養老乃瀧公式ツイッターアカウント
  • 養老乃瀧公式ツイッターアカウント
  • 実際の店内表示物(公式サイトより)
  • 公式サイトの謝罪文

「おやじが喜ぶお店にご来店いただきありがとうございます」

   神奈川県内の居酒屋に訪れたとするツイッターユーザーが22日、トイレに張られていた掲示物の写真を投稿した。木目の背景に赤や黒のペンで文字が書かれている。「女性が来てくれるなんてとっても嬉しいです!!」などと、トイレを利用した女性客に向けた文言だった。

「そんなあなたの為に おやじが喜ぶお店でも女性がほっと一息付ける空間をご用意しました。 ここだけはお一人の時間を大切に過ごしてほしいのです!!また、わいわいガヤガやおやじの相手をしてあげてください」

   店ではストッキング、爪切り、マスク、ばんそうこうのアメニティを用意していると案内し、「おやじに疲れたらまたこの空間に来てくださいね。いつでもお待ちしています」と締めくくる。

   掲示物を紹介する投稿は24日11時までに3000件超のリツイート、9000件超の「いいね」が寄せられるなど大きな反響があり、「女性客を無料コンパニオンにしようとしてる」「店で一人の時間を大切にするんじゃなくてトイレで寛げって事?」などの声が寄せられた。

公式サイトとツイッターで謝罪

   養老乃瀧は23日、投稿に直接リプライする形で謝罪した。

「弊社直営一店舗にて、今回の表示がなされておりました。我々の認識が甘く、皆様には大変不快な思いをさせてしまい誠に申し訳ございませんでした。 掲示物については店舗より撤去いたしました。
以後十分に注意して参ります。この度は誠に申し訳ございませんでした」

   公式サイトも更新し「店内表示物に関するお詫びとお知らせ」を掲載した。多くの人にとって不快なメッセージとなっていたことを重く受け止め、猛省するとして、再発防止策については次のように述べた。

「今後私たちは、同様の問題を二度と起こさぬよう、コンプライアンスを重視し、お客様の信頼回復に向け取り組んでまいりますことをお約束します」

(追記)「グループで一緒にご来店されていることを想定」

   (24日16時45分追記)

   養老乃瀧は記事公開後の5月24日昼過ぎ、公式サイトに続報を掲載した。撤去された店内掲示物は一軒め酒場川崎仲見世通り店のトイレにあったとして、次のように掲出の経緯を説明する。

   一軒め酒場のコンセプトは「安いだけでなく、しっかり美味しいことで、おやじを喜ばせたい」。22年7月に店舗をリニューアルし、女性用トイレの改装とアメニティの提供サービスを開始した際に掲出した。

「今回の表示物は男女のグループで一緒にご来店されていることを想定して掲出しておりましたが、弊社の認識の甘さや意識の欠如により、多くのお客様に不愉快な思いをさせてしまう表現となってしまいました。大変申し訳ございません」

   今後は、社会にあわせた社員の意識変革ができるように、外部の指導も取り入れながら改善に努めるという。また、店内表示物の見直しを行うとともに社内のチェック体制を強化するとした。