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自民議員、AI作品めぐる「しょーもない規制」投稿が物議 クリエーター軽視と批判続出、謝罪&ツイート削除

   「デジタル通」で知られる自民党の川崎秀人衆院議員(41)が、AI(人工知能)作品に関する持論を展開し、批判を集めている。

   クリエーターを軽視するようなSNS投稿をしたためで、川崎氏は「私の言葉が足らず、また稚拙な表現で本当に申し訳ございません」と謝罪した。

  • 川崎秀人氏のツイッターより
    川崎秀人氏のツイッターより
  • 川崎秀人氏のツイッターより
  • 実際の投稿(現在は削除)

「『アーティストの特権』も大切だけど...」

   川崎氏は2023年5月29日、AIを使ったアート作品の展示会に参加したとツイートし、「『アーティストの特権』も大切だけど『自分の考え・想像』を自ら具現化できる世界っていうのも面白い!」と感想を書き込んだ。

   川崎氏は党ネットメディア局次長、デジタル社会推進本部事務局次長と「デジタル通」で知られ、「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」にも名を連ねる。

   投稿では「しょーもない規制で潰されないようにがんばるのが我々の仕事かな!」とも述べ、党を挙げたAI作品の普及に意欲を見せた。

   投稿は、「アーティストの特権」「しょーもない規制」の部分がアーティストの冒涜、AIのリスク軽視と受け取られて物議を醸した。

   AIとアートを巡っては課題も多く、著作権や倫理の面から議論が続いている。イラスト投稿サイト「pixiv」は5月31日、AI生成作品に関する利用ガイドラインを改定し、「AIなどのプログラムを用いた模倣行為や、他人の作品を制作過程で不当に利用すること」を禁止した。

「クリエイター様は私は心から尊敬しております」

   川崎氏は31日、「私の言葉が足らず、また稚拙な表現で本当に申し訳ございません」とツイッターで謝罪。投稿は削除したとし、意図を次のように説明する。

   「アーティストの特権」については、自身に絵を描く技術がなく、「いつも展覧会を見ると『私には到底できっこないすばらしい世界だなぁ』と思っていました。これを『特権』と表現してしまいました」と釈明する。

   続けて「こうやって生成系AIの誕生により、私のように『頭では浮かんでいても、具体化する技術がない』方でも、或いは事故などにより表現が困難になった方もこうして表現ができるようになったという意味で書きました」と真意を述べ、

「私はデザイナーの皆様に作成物を依頼する際に言葉で伝えますが、なかなか表現できず受け手であるデザイナー様が苦労されておりました。しかし、生成系AIで画像を作れるようになったことで、私がイメージしたものをお伝えできる補助ツールとなりました。(もちろんまだ言葉の表現力が稚拙なため、プロンプトに苦戦しておりますが)。お父さんが娘さんに『絵本を描きたい』と思ってもできなかった時代からできるようになってきたのではと感じています」

とする。

   「しょーもない規制」は、過度な規制に否定的であると示すために使ったという。

   「アーティスト様やクリエイター様は私は心から尊敬しております。我々もAIについて日々有識者から懸念等をお聞きしながら勉強を進めております」と制作者に敬意を表し、一連の投稿を「ご不快な思いをされた皆様にはお詫び申し上げます(中略)今後、しっかりと意図や考えをお示しできるよう努力してまいります」としている。