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井上尚弥のパワーはSB級で通用するのか? 「世界5階級制覇」ドネア見解、フルトン戦展望も

   プロボクシングの元世界5階級制覇ノニト・ドネア(フィリピン、40)が2023年5月30日に公開されたユーチューブ「格闘キャスト」に出演し、元世界バンタム級4団体制覇でスーパーバンタム級に転向した井上尚弥(大橋、30)の実力を分析した。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「フルトンはチャンピオンとして自信を持っている」

   動画は「井上尚弥のパワーはバンタム級で通用するのか?」などのタイトルで公開され、ドネアが複数階級を制した自身の経験を踏まえて井上の今後に関して持論を述べた。

   ドネアは19年11月と22年6月に井上と対戦しており、初戦は判定負け、2戦目は2回TKO負けを喫した。いずれも世界戦で2戦目は世界バンタム級3団体(WBA・WBC・IBF)の王座統一戦だった。

   ドネアに連勝した井上は22年12月に世界バンタム級4団体王座統一を果たし、その後、王座を返上してスーパーバンタム級に転向した。7月25日に東京・有明アリーナでWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、28)に挑戦する。スーパーバンタム級転向後の初試合が世界戦となる。

   ドネアはフルトン戦に関して「フルトンはチャンピオンとして自信を持っている。ただフルトンは私みたいなパワーを持っていないので、井上にとって相性がいいかもしれない。でもフルトンはとても賢いファイターで、必要であれば器用な戦いもできる。色々な戦いができるので良い試合になると思う」と予想した。

   今回のタイトル戦は東京で開催され、フルトンにとっては敵地での戦いとなる。これまで米国、日本、英国、マカオなど様々な国・地域のリングに上がってきたドネアは、敵地での戦いがフルトンにどのような影響を及ぼすかに言及した。

   ドネアは過去2度の日本のリングで日本のファンから大きな声援を送られたことに感謝の念を示しつつ「日本でフルトンを知っている人は少ないと思うし、フルトンは敵地に入っていることを感じると思う」とし、「英語を話さない国で戦うのはフルトンにとって初めてじゃないかな?フルトンにとって大変かもしれない。体験したことがないから」と語った。

「バンタム級にいたころほど圧倒的ではないと思う」

   バンタム級では4団体王者のすべてをKOで下し圧倒的な強さを誇った井上。ドネアは自身の経験からバンタム級とスーパーバンタム級の違いを解説し、さらにフェザー級での経験にも言及した。

   井上はライトフライ級(48.9キロ)、スーパーフライ級(52.1キロ)、バンタム級(53.5キロ)を制し、ドネアはフライ級(50.8キロ)、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級(55.3キロ)、フェザー級(57.1キロ)の5階級を制覇した。

   「今までワンパンチでKOできていたものが、大きな選手は立ち上がってくる。井上はまだ非常に危険なファイターでパンチのパワーは全然通用すると思うが、バンタム級にいたころほど圧倒的ではないと思う」と分析し、次のように続けた。

「私の場合、フェザー級の時は相手が倒れなかった。バンタム級とスーパーバンタム級では失神KOだったのに。これから井上は経験して分かると思う。相手がより大きいとかなりの違いがあることを。フェザー級ではパンチを当てると時々倒れるけども立ち上がってきた。でもスーパーバンタム級はそれほど大きくない」

   ドネアは現在WBC世界バンタム級1位にランクしており、井上が返上した同王座決定戦に出場する見込みだ。