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それ、本当に「胃の痛み」ですか? 勘違いで恐ろしい病気見逃しているかも

【駆け込みドクター!】(TBS系) 2015年9月6日放送
「胃が痛い...は間違い!? お腹がよくわかるSP」

   厚生労働省の調査によると、20代以上の5人に1人、50代以上の3人に1人が胃もたれや胸やけといった不調を訴えているという。そこで、番組MCを務めるお笑いコンビ「オードリー」春日俊彰がこう問いかけた。「そもそも胃のことをちゃんと知っているのか」。

   番組で実施した街角インタビューでは、胃の位置を誤って答えた人が多かったという。こうした勘違いが、場合によっては恐ろしい病気につながる可能性もあるようだ。

  • 「胃が痛い」と思っても早合点は禁物(写真はイメージ)
    「胃が痛い」と思っても早合点は禁物(写真はイメージ)
  • 「胃が痛い」と思っても早合点は禁物(写真はイメージ)

胃の位置はのどから約25センチ下

   胃は、何も食べていない状態では「こぶし」2つ分のサイズだが、たっぷり詰め込むと最大28倍まで膨れ上がるという。人間が「お腹がいっぱい」と感じるのは、胃がパンパンに膨らんだからではなく、脳の満腹中枢が満腹だと判断するためだ。満腹感は、食べ始めてから約20分後におとずれる。そのため早食いをすると、満腹を感じる前にいっぱい食べてしまい、その結果太る恐れがある。番組のドクターたちは、こう補足した。

消化器内科・大竹真一郎医師「よくかむと、20分より前に満腹中枢が刺激されます」
循環器科・池谷敏郎医師「腹八分とは胃に八分入ることではなくて、もう少し食べたいと頭が感じる量を指します」

   「胃の場所」をたずねた街頭インタビューで、多くの人は「おへそ付近」にあると回答したという。胃の向きについても、まちまちだった。正しい胃の位置は、のどから約25センチ下(成人男子の平均)で、胃の出口は右向き。つまり胃は、多くの人が考えているよりも上にあるようだ。ここでゲストのひとり、お笑いコンビ「パックンマックン」のマックンが疑問を投げかけた。

「胃が痛いと、腹の下を押さえるじゃないですか。じゃあ胃じゃなくて、どこが痛いんですか」

   大竹医師の答えは、こうだ。

「患者さんが『胃が痛い』と来ても、胃ではない病気の可能性を念頭におきながら診察します」

すい炎患ったチュートリアル福田「衝撃の告白」

   本人は「胃の痛み」を訴えながら、実際は別の病気だった――。番組では、思い違いされやすい3つの病気を取り上げた。

   まずは「虫垂炎」、いわゆる「盲腸」だ。実は胃と腸の神経が近い位置にあるため、腸の痛みを胃の痛みだと勘違いしやすいのだという。

   次に「すい炎」。消化液を作る臓器で、胃の裏側に位置していることから、やはり胃の痛みだと思ってしまいがち。大竹医師は、すい炎が悪化すると「肋骨のあたりを叩くと響くような痛み」が生じると話す。以前、この病気を患ったお笑いコンビ「チュートリアル」の福田充徳は、

「木のハンマーの先にいっぱい釘をつけて、(お腹を)ギューッと押されているイメージ」

と説明した。あまりにもつらそうな痛みに、スタジオ内は「騒然」だ。

   そして最後は「心筋梗塞」。発症すると、心臓とは全く関係のない胃や肩に痛みが出てくる。これは脳が勘違いをするせいで、患者本人が「胃の痛みだ」と考えているうちに対処が遅れ、場合によっては突然死に至る恐れもあるという。

   いずれも恐ろしい病気で、単なる胃痛だと思って見逃したら一大事になりかねない。

   大竹医師は、すい炎について、「すい臓が壊れると、消化液がお腹の中に広がってお腹が溶けちゃう」と解説、またもスタジオ内に衝撃が広がった。

   MCの久本雅美がゲストで俳優の成宮寛貴に、「成宮君、お酒をよく飲むっていうから気を付けないと」と水を向けた。すると、成宮はお腹をさすりながら、

「考えただけで...今、なんか、ちょっと...」

   いつもの精悍さが失せて、不安げな表情を見せていた。