J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「溶けやすさ」と「におい抑制」の独自技術 「コラーゲンの老舗」は挑戦を続ける

   サプリメントで販売されている製品のうち、よく知られているもののひとつがコラーゲンだ。ロッテは2005年、当時は珍しかったドリンクタイプのコラーゲン飲料を発売して市場拡大に貢献した。

   今日では「うるアップコラーゲン」の商品名で、ドリンク型とパウダー型の2タイプを販売している。パウダー型は、独自の製法で飲みやすさを追求した。

  • ロッテ・マーケティング統括部の萩生田雅尚さん
    ロッテ・マーケティング統括部の萩生田雅尚さん
  • ロッテ・マーケティング統括部の萩生田雅尚さん
  • 「うるアップコラーゲン」パウダー型

パウダーの沈みやすさと溶けやすさ両立

   ロッテ「うるアップコラーゲン」のパウダー型は、1日あたりスプーン1杯のコラーゲンの粉をコーヒーや牛乳に溶かしたり、ヨーグルトに振りかけたりして摂取する。みそ汁に溶かして食べてもよい。

   粉の溶けやすさは、長年にわたって徹底的に研究してきたと、ロッテ・マーケティング統括部の萩生田雅尚さんは話す。「(コーヒーなどに)混ぜて飲むなら、サッと溶けないといけません。いわゆる『だま』にならないように、沈みやすさと溶けやすさの両立にこだわりました。これが『うるアップコラーゲン』の強みと言えます」。

   もうひとつの特長は、コラーゲン特有の「臭み」を低減する技術だ。コラーゲンの粉末を飲料に溶かして、あるいは食事と一緒にとる際に、きついにおいを放つようでは使用をためらってしまうかもしれない。ロッテでは、におい成分を処理する特殊な製法を開発し、処理前の22%にまで臭みを抑えることに成功した。

   ロッテでは以前、「コラーゲン10000+ビタミンC1000」というドリンク商品を出していた。商品名の通り、コラーゲンが1びんに1万ミリグラム配合されているのがセールスポイントだった。2011年4月に「うるアップコラーゲン」が後継品として登場したが、コラーゲンの配合量を1食(パウダー6.6グラム分)当たり5000ミリグラムとした。萩生田さんによると、それまでの研究開発におけるデータ分析や知見から「5000ミリグラムとしても1万ミリグラムと近い効果が得られることが分かり、おいしさの追求の観点から、5000ミリグラムの方が嗜好性が高いため」の措置だったそうだ。一方で、ヒアルロン酸やプラセンタエキス、セラミドといった新しい成分を加え、以前より多様化した消費者ニーズにこたえるように努めたという。

広く試供品を配って「使ってもらう」に重点置く

   萩生田さんによると、人気のあった「コラーゲン10000+ビタミンC1000」から2011年に「うるアップコラーゲン」という「新ブランド」に切り替えたのは、チャレンジだったそうだ。今まで継続して使っていた製品に満足していた消費者を、別の製品に移行させるのは容易ではない。多くの消費者に製品の良さを理解してもらうため、初めから広く試供品を配って「使ってもらう」に重点を置いた。

「発売当初は、コラーゲンの量の多さを求める人がいなかったわけではありません。しかし使っていただくと、この製品の良さを分かっていただけたのです」

   利用者からは、溶けやすさと「コラーゲン臭」の低減という2つの訴求ポイントを高く評価する意見も寄せられ、手ごたえをつかんだ。ターゲット層は40代以上の主婦だが、パウダー型の製品がこの層にアピールする点がもうひとつある。同じ分量のコラーゲンを摂取するなら、ドリンク型よりも「お得」なのだ。主婦は価格に敏感なので、「経済効果」を実感しやすい。以前はとり込めなかった新規の購買層も増えたという。

   発売から4年が経過し、固定客をつかんできた。多くの競合品がひしめくなかで、これまで積み重ねてきた技術力を背景に「コラーゲン製品の老舗」としてほかにはない価値をいかに伝えていけるかが、ロッテの腕のみせどころだ。