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スッピンでもお肌がツルツル、がん予防にも キャベツのすごいパワーを丸ごと活用法

【あさイチ】(NHK)2016年3月22日放送
「2016年春のキャベツスタイル」

   すっかり春めいてきて、春キャベツがおいしい季節になった。キャベツはダイコンと並んで食卓にのぼる野菜の1、2位を争う人気だが、結構知らないことが多い。

   そこで千切りキャベツをおいしくする秘訣から、目からウロコの保存法まで、キャベツの意外なパワーを紹介する。

  • キャベツには意外なパワーがある
    キャベツには意外なパワーがある
  • キャベツには意外なパワーがある

「キレイ」の秘訣はキャベツの芯を蒸して食べる

   番組では冒頭、西堀裕美アナが白澤卓二・順天堂大学大学院教授からキャベツの健康効果を聞いた。

白澤教授「ブロッコリーやダイコンもそうですが、キャベツをはじめとするアブラナ科の植物には『イソチオシアネート』という化学物質が含まれています。これががん細胞の増殖を抑えるという論文が国内外で多く発表されていますから、がん予防に期待していいですよ。イソチオシアネートは、キャベツをすりつぶすとたくさん発生しますから、よくかんで食べると効果的ですね。1日に100グラムが目安です」
MCの井ノ原快彦「よし、毎日食べよう! 100グラムってどのくらいの量?」
西堀アナ「千切りキャベツを大盛りの皿1枚分くらいですね」

   さて、春キャベツと冬キャベツがあるが、どう違うのだろうか。西堀アナは日本一の春キャベツ生産地・千葉県銚子市を訪ねた。生産農家の濱仲進弥さんが畑で出迎え、採れたてのキャベツを手にこう説明する。

「冬と春の収穫時期の違いと思っていたでしょう? 春に採れる冬キャベツもありますよ。実は種類が違うのです。冬キャベツはギュッと巻かれていて葉が密集している。春キャベツはふんわりと巻いています」

   冬キャベツは硬めなので焼きそばや炒め物に、春キャベツはやわらかめなので、サラダや千切り、生食に向く。ともにビタミンCが豊富だから、女性にはうれしいスベスベの美肌効果がある。すると、その見本が登場。濱仲さんの妻・昭子さんだ。毎日キャベツを生で食べているので、顔にしわ1つない。

西堀アナ「まあキレイ、スッピンですか! (顔にさわりながら)お肌がトゥルトゥルですね~。私、ガサガサですが」
スタジオのゲスト、タレントの虻川美穂子「(自分の顔にさわりながら)へえ~、いいなあ。私もキャベツ大好きで、毎日食べているのに」
西堀アナ「ビタミンCは葉に一番多く、2番目に芯、3番目に中央部分に含まれています。農家の人たちは芯を捨てずに、蒸して食べているんですよ」

老舗の門外不出「千切りキャベツ」テクニック

   ここで、「プロの千切りキャベツ」の門外不出のテクニックを、東京銀座の洋食店「煉瓦亭」の大澤正孝料理長を教えてくれた。「煉瓦亭」は約120年前、「千切りキャベツ」を初めて考案した老舗である。その秘訣はこうだ。

(1)1玉のキャベツの場合、まず半分に切り分ける。
(2)切ったキャベツを、芯のある部分と芯のない部分に切り分ける(計4つ)。
(3)芯を切り落とす。

   以上が下準備だが、このように分けるのはキャベツの長さを変えるため。やわらかい部分は長く、固い部分は短く千切りにする。それを混ぜることで2つの食感を楽しめ、おいしくなる。

(4)いよいよ切り方のポイント。キャベツを切る向きが重要だ。太い葉脈に垂直に千切りすると、繊維が断ち切られてふんわりした食感になる。
(5)千切りキャベツを水に漬けると水分を吸収し、みずみずしさがアップする。「3分以上漬ける」のがオススメだ。

   ところで、キャベツを保存するにはどうしたらよいだろうか。キャベツは収穫後も芯の部分が成長を続け、外側の栄養分を吸収してしなびさせてしまう。そこで、芯をくり抜いてポリ袋に入れ、低温のチルド室で保管するとよい。チルド室に入りきらない時は、野菜室より温度の低い冷蔵室に入れよう。

B級料理をグレードアップする「乳酸キャベツ」

西堀アナ「ここで、キャベツを大変身させ、栄養パワーをさらにアップする料理法を紹介しましょう」

   料理研究家・井澤由美子さんが考案した「乳酸キャベツ」だ。刻んだキャベツを発酵させることで、うまみ成分である「グルタミン酸」が6.5倍に増えるばかりか、料理のレパートリーまで広がるスグレもの。作り方はこうだ。

(1)キャベツを1玉みじん切りにする。細かく切れば切るほど、キャベツに含まれる乳酸菌が発酵しやすくなる。
(2)ビニールの保存袋に切ったキャベツを半分入れ、小さじ2の塩を入れる。
(3)残りのキャベツをすべて入れ、小さじ2の塩・小さじ2分の1の砂糖を入れる。砂糖を入れるのは味に丸みを持たせるため。
(4)全体がしんなりするまでよくなじませる。
(5)おもしをのせて3~6日間くらい常温に置く。発酵すると泡が出てくるので、目安にする。
(6)発酵したキャベツを、熱湯で消毒した密閉容器に移し替えて保存する。

井澤さん「この乳酸キャベツを具材に使うと、いろいろな料理がグレードアップしますよ」

   たとえば、食パンに乳酸キャベツをのせ、生卵を落としチーズをのせてトーストすれば、ゴージャスなオープンサンドに。ひき肉と混ぜ合わせてハンバーグのつなぎに。酸味とうまみが混ざり合い、胃にやさしいみそ汁にもなる。

有働アナ「キャベツを食べるとバストアップするの!」

   最後に、視聴者からのファクスを見ていたMCの有働由美子アナが素っ頓狂な声をあげた。

「キャベツを食べると、バストアップするんですって!」

   すると、西堀アナが取材ノートを見ながら冷やかに答えた。

「キャベツに女性ホルモンと似た働きをする成分が含まれているからのようです。インターネットにその情報が流れているので、専門家に聞きましたが、キャベツに含まれている程度の量では全然効果がないそうです」
有働アナ「......(苦笑いしながら無言)」