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【女の相談室】米国乳がん検診体験記(第2回) マンモグラフィーと超音波の再検査

   米国在住の私は、43歳のとき乳がん検診に初めて引っかかりました。そのとき、検査医から、こう告げられました。

「マンモグラフィーによると、あなたの胸の乳房組織の密度が濃いとの結果が出ました(You breast tissue is dense.)」
  • 再検査の結果は…
    再検査の結果は…
  • 再検査の結果は…
  • この用紙を渡されて、針生検の説明を受けました

乳腺の密度が濃いと何が問題か

   実はこれはよくあることで、異常ではありません。しかし、乳腺の密度が濃いとマンモグラフィーの診断結果がはっきりは出ません。そのため、腫瘍が存在しても確認できない恐れがあり、乳がんのリスク増の引き鉄になり得るのです。

   私は、マンモグラフィーとウルトラサウンド(超音波)の再診を予約するよう指示されました。

   この検査医は、年に一度の乳がん検査でも、毎回ウルトラサウンドとマンモグラフィーの両方を使って検査します。乳がん検査を始めて数年後に、確かロサンゼルス・タイムズ紙で「乳がんの早期発見のためには、マンモグラフィーのみならず、ウルトラサウンドと併せて検査することが望ましい」という記事を読む機会がありました。私の検査医に尋ねると、「うちのクリニックは以前からそういう(新聞に書かれていた内容と同じ)考えで、両方の検査をしているのよ」という答えが帰ってきました。

   私は2種類の検査の併用が当然と思っていたのですが、当地のママ友の場合はマンモグラフィーしか行わないと話していました。医者によって検査方法が違うようです。

   初回の検査から1か月後、再び検査医を訪れました。疑わしい箇所だけをより念入りに調べるためのウルトラサウンドとマンモグラフィー検査を受けるためです。

   さて結果ですが、マンモグラフィーの検査によると、心配された右胸にがんは見られませんでした。ただ、懸念が残るので半年ごとにウルトラサウンドの検査を受けるように指示されました。通常は1年ごとの検査が半年ごとになるのです。また「バイオプシー」(針生検)の受診も勧められ、検査医から詳しく説明されました。

体内に針を入れて組織を採取する検査

   針生検とは検査結果が不透明な時に、体内の疑わしい部分に針を入れて組織を採取し、調べる方法です。受診したら安心できるのは分かるのですが、体に針を入れるのをすぐには受け入れられず、また「がんの家系でないのに針生検の必要があるのだろうか」という考えも頭をよぎりました。

   現実的な話、検査費用がかかります。検査医によって金額は違いますし、麻酔をすればその費用も発生します。加入している医療保険がどこまで補助してくれるのかも分かりません。全額カバーされないことだけは確かですが、負担してもらえる金額を知りたければ保険会社に直接問い合わせなければなりません。

   針生検は前もって予約を入れるのですが、麻酔をするため自分だけで来院せず、誰かに連れてきてもらうように言われました。主人に頼むとなると、彼の仕事の都合を考えなければなりません。検査医は「すぐに終わる」と話していましたが、実際にどれぐらい時間がかかるかは不明です。「検査後、普通に体を動かして良いのか」「娘たち(当時、長女は小学2年生、次女は3歳半)のお迎えは誰に頼めるのか」と、検査のための事前準備を考えると、どう決断を下していいか分からなくなりました。

   最終的に「がんではないということだし、とりあえずは先輩ママたちや、近々定期健康診断で会う内科主治医に相談してみよう」という結論に至り、半年後のウルトラサウンド検査の予約のみを入れることにしたのでした。

   =次回に続きます= (米国在住ライター・北雨利香)