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「赤ちゃんにサプリ」米国は当たり前 医師が指示した液体ビタミンD

   年明けからだいぶ日がたってしまいましたが、2017年も米国の面白いサプリメント情報を発信していきたいと思います。

   昨年末は日本から友人が遊びにきてくれました。彼女とのおしゃべりのなかで、「米国では患者の健康状態に応じて、医者自身がサプリをとるように指示することが普通だ」と伝えると、「日本ではサプリを買うより、医者にいって薬を処方してもらうほうが安いんだもの。この高齢化社会で、増える一方の医療費を減らすためには、サプリメントをもっと手に入れやすくして、健康維持に役立てることも大事だと思うのよね」と話していました。

  • スポイトを使って飲ませます
    スポイトを使って飲ませます
  • スポイトを使って飲ませます
  • 値段は約13ドル(約1490円)
  • 乳児用ビタミンDサプリは、他のブランドからも出ています

スポイトを使って指定の量を飲ませる

   我が家の長女が初めてサプリを摂取したのは、生後2週間検診以降のこと。母乳育児をしていたときに、小児科の主治医から赤ちゃん用のビタミンDサプリ「Enfamil D-Vi-Sol Liquid Vitamin D Supplement Drops」を与えるように指示されました。「母乳だけだとビタミンDが十分にとれないから」と言うのが理由です。

   この製品はボトルに入った液体サプリで、スポイトが同封されています。スポイトに書いてある目盛りを使って、指定された量を飲ませます。ドラッグストアや大型スーパーのビタミンコーナー、子供用の医薬品売り場にあります。「アマゾン・ドットコム」でも購入できます。

   米国小児科学会(American Academy of Pediatrics=AAP)によると、赤ちゃんは1日400IU(IUはビタミンDの国際単位)のビタミンDをとるべきとされています。ちなみに、内科主治医からビタミンD不足と言われた私は1日5000IUを、また最近、医者から同じ指摘をされた夫(50代前半)は、1日200IUをサプリから摂取しています。

   ビタミンDは十分に日光を浴びないと足りなくなる栄養素で、高いビルに囲まれた場所や大気汚染によって日差しが遮られる都会に住んでいる、あるいは一日中家にいて外出しないといった環境では不足しがちです。

   乳児を太陽にさらしたくないからといって体を完全に覆ったり、SPF(紫外線防御効果を示す指数)の高い日焼け止めを塗ったりするのも、ビタミンD不足の原因となります。

   カルシウムの吸収率を高めるビタミンDを乳幼児期に十分とれていないと、骨折しやすくなったり、くる病を発症したりするという弊害を招きます。米国では、子どもたちが「モンキーバー」(日本の「うんてい」)から落ちて骨折や複雑骨折したという話はよく聞きます。

液体サプリの味は...かなり「残念」

   「子どもはビタミンDをしっかりとるべき」という理由から、私の小児科主治医はビタミンDのサプリを勧めたのですが、ママ友の主治医はそういう指導をしなかったそうです。赤ちゃんのうちからビタミンDをサプリで補給するかどうかは、医者の考え方によるようですね。ただ新生児や乳児向け粉ミルクには、必要とされる栄養素がすでに入っているため、あえてサプリの活用をアドバイスしていない可能性も否定できません。

   私は小児科主治医から、「ビタミンDサプリは、子どもが市販の牛乳(たいていがビタミンAやDが追加されている)を飲み始めるまで続けるように」と指導されたのですが、実はこのサプリがまずいのなんの! 案の定、子どもも嫌そうな顔をして飲むので、「大人がまずいものは子どももまずいよね」と思いました。サプリだけでは飲んでくれないので、長女が6か月ぐらいになるまでは赤ちゃん用の市販の液体ミルクに混ぜて飲ませていました。

   なお、サプリと同じブランドから出ている粉ミルクや液体ミルクは、月齢別に3段階に分かれており、3か月までの新生児および12か月までの乳児向けの製品には、「骨の健康と発達のため」ビタミンDが入っていると明記されています。

   そういえば日本ではやっと液体ミルクが解禁に向けて動き出したとか。外出先で気軽に子どもにミルクを与えることができると、本当に便利になりそうですね。


●筆者プロフィル

北雨利香。南カリフォルニア在住。2児の母。40歳をこえた途端に、定期健康診断で毎回のようにひっかかり、医者にサプリを飲むよう指導される。興味のあることは美容、健康、子供の教育、米国プロスポーツ、ハリウッドゴシップ、トランプ次期大統領の政策。