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暑い季節、体に役立つ野菜の選び方 主婦と医師ではここが違う!

【林修の今でしょ!講座】(テレビ朝日系)2017年5月16日放送
「医師100人が選んだ!本当に体に良い『夏』野菜ベスト5」


   現代人は、摂取カロリーは増えているのに本当に体に役立っている栄養素は少ない――。こう警鐘を鳴らしたのは、番組ゲストで東京大学医学部付属病院の小児科医、伊藤明子氏だ。

   番組では主婦300人と医師100人に、「体にいい夏野菜」のアンケート調査を行った。夏野菜は色鮮やかで、栄養素が豊富。中でもどれが「お勧め」か、アンケート結果を基に伊藤氏が紹介した。

  • 枝豆はたんぱく質が豊富。医師が勧める夏野菜で堂々の2位だ
    枝豆はたんぱく質が豊富。医師が勧める夏野菜で堂々の2位だ
  • 枝豆はたんぱく質が豊富。医師が勧める夏野菜で堂々の2位だ

抗酸化作用が期待できる赤パプリカ、ミニトマト

   野菜が苦手だと話すお笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザーに、伊藤氏は野菜不足の「恐ろしさ」を説明した。脳の認知機能や記憶力、思考力の柔軟性がそれぞれ低下するという研究文献があるというのだ。

   主婦300人が選んだ夏野菜ベスト5は、首位から順にトマト、モロヘイヤ、ピーマン、枝豆、青じそとなった。だが、医師100人によるランキングは若干違った。

   まず5位は、抗酸化作用が強いという赤パプリカ。なかでもビタミンCは1個でトマト15個分に相当するという。最新の研究では、ビタミンCは遺伝子の「コピーミス」を防ぐと分かった。体の中では、日々遺伝子が正しくコピーされ新陳代謝が進んでいくが、少しずつコピーに「ミス」が生じ、これが老化や病気につながる。赤パプリカのビタミンCパワーで、こうしたミスを少しでも減らし、病気の予防につなげられる。

   4位は、ミニトマト。同じく抗酸化作用がある成分「リコピン」の量がトマトの3倍、ビタミンB2も同2倍含まれている。最新の米研究では、前立腺がんの発症リスクを抑えるという結果が出たという。栄養素を最大限に引き出すには、刻んですぐ食べる。刻むと中の栄養素が外ににじみ出て吸収しやすくなるからだ。意外にも、冷蔵庫に入れるよりも室内で常温保存が好ましい。もともとミニトマトは、熱い地域が原産。夏でも室温で2、3日なら問題ない。

   3位は、青じそ。特徴的な香りは「ペリルアルデヒド」と呼ばれる成分で、抗菌作用がある。刺身など傷みやすい食品に添えられるのは、そのためだ。抗酸化や免疫力を高める効果が期待できる成分「カロテン」が、ニンジンよりもたくさん含まれる。

現代人のたんぱく質摂取量は戦後間もない頃と同じ

   2位は、枝豆が入った。たんぱく質が豊富な野菜だ。

MCの林修「現在我々が摂取しているたんぱく質の量は、なんと戦後の1950年代とほとんど変わらない量なんです」

   これは、糖分と炭水化物をとり過ぎていることが原因。枝豆には筋肉増強、夏バテ予防につながる栄養素が十分だ。疲労回復に効くとされるビタミンB1が豊富で、枝豆100グラムで、にんにく2個半に相当する量が含まれている。

   そして、1位。「野菜の王様」といわれるほど栄養価がすべてにおいて高い、それはモロヘイヤだ。なかでもイライラ解消につながるカルシウムの量は、100グラムでめざし4尾(約140グラム)、しらす干し約120グラムに匹敵する。しかも野菜なので、カロリーが低い。

   伊藤氏が推奨する、栄養素を最大限に生かす調理法は、「細かく刻んでスープ」。モロヘイヤのネバネバ成分である「ムチン」が、刻むと中からたっぷり出てくる。この成分が、腸内環境を整える役割を果たすのだ。食べ方の工夫次第で、こうした栄養素を効率よく摂取できる。