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太った人ほどおやつを食べるべし!? ダイエットにつながる間食の術とは

   【あさイチ】(NHK総合)2017年10月2日放送
「美と健康が手に入る!?"攻め"の間食」

   太りたくないと思っていても、間食はなかなかやめられないものだ。「カロリーオフ」「ヘルシー」などと書かれた商品を手に取るようにしているが、本当は好きなものを好きなように食べたい!―こんな人、結構多いのでは。

   実は間食は、食べ方さえ気を付ければ、太らないどころか、美と健康を手に入れられる可能性を秘めている。番組では「攻めの間食」を徹底研究した。

ココアも間食におすすめ、という
ココアも間食におすすめ、という

足りない栄養を間食で補う

   ミス・ユニバース・ジャパンの栄養指導を担当してきた食事改善のプロ、細川モモ氏は、450人以上のトップモデルたちに間食を積極的に摂(と)るよう勧めてきた。

   細川氏が「美しさを磨く間食」に挙げたのは、ナッツや野菜チップス、ドライフルーツなど体に良さそうなもののほか、チョコレートにプリン、ココアと、甘くてカロリーが高そうなものまで。

   細川氏は間食を「三食では不足する栄養素を補うための食事」ととらえている。例えばプリンには、原料の卵に、食物繊維とビタミンC以外のほぼ全ての栄養素が含まれている。

   モデルの岸本美穂さんは、バスト98cm・ウエスト63cm・ヒップ90cmのメリハリボディーが魅力的な、ミス・ユニバース・ジャパンの元ファイナリストだ。

   以前は誰よりもやせているのが重要と考え、食事はほぼ野菜や果物だけにし、間食を絶対に摂らないようにしていたが、栄養の偏りで肌荒れ、生理不順、便秘に悩まされた。

   細川氏が必要な栄養素を間食で摂るよう提案し、食物繊維、鉄分、亜鉛が豊富なココア、プルーン、甘栗を勧めた。言われた通りに間食を始めると、ひと月ほどで体質が改善。ひどい空腹感に襲われることがなくなり、時折あった「ドカ食い」もしなくなった。

   三食は食べたいものや彩りを楽しむのを第一にし、足りない栄養は間食で補えばいいと決めたため、食事の楽しみも倍増した。

   岸本さん「ちょっとずつの間食で、ドカ食いをしないのもキレイにつながっていく。是非皆さんも間食してほしい」

   細川氏が勧める間食の「三箇条」は、

   (1) 必要な栄養素を見極める。

   (2) 好きな食品からその栄養を摂る。

   (3) カロリーは1日の総摂取量でコントロールする。

   これを守れば、間食で美と健康が実現できる。

キャベツを最初に食べても血糖値は抑えられない!?

   管理栄養士の足立香代子氏は、女性に不足しがちな栄養素を間食で摂るよう勧める。

   すぐ体外に排出されてしまうビタミンCは、野菜に多く含まれているが、加熱で失われてしまう。果物を生のまま食べて補うのが望ましい。

   食事だけでは不足しがちなカルシウムは、ヨーグルトやチーズなどの乳製品で。

   生理で多く失われる鉄分は、ココアやドライフルーツで。

   食事だけでは足りず、不足すると足がつるマグネシウムはナッツ類で。腹持ちがよく、血糖値が上がりにくい効果もある。

   「間食した方がいいなんて、やせている人に限るんじゃ...」と思うかもしれないが、実は太った人にこそ間食がオススメだ。

   太った人は夕食をたくさん食べる人が多いが、夜にドカ食いすると太る原因になる。間食で少し腹を満たしておけば、夕食を減らせる。

   夕食が遅い時間の人も、夕方頃に間食するとよい。空腹の時間帯が長いと血糖値が急激に上昇するほか、脳が糖を欲しがるので、糖質から摂りたくなってしまう。

   もちろん好きなだけ食べてもよいというわけではなく、1日の間食の合計摂取カロリーは200キロカロリーを目安にしよう。一度食べるとやめられなくなる人は、少量ずつ小袋に入ったものを買うなど工夫して。

   ちなみに、食事は野菜から始めると太りにくいとされる「ベジタブルファースト」は、すべての野菜に当てはまるわけではない。キノコや海藻類、緑黄色野菜は食物繊維が多く、ゆっくり消化されるので効果的だが、キャベツやトマトなどの繊維が少ない野菜には血糖値の上昇を抑える効果はあまり期待できない。「白飯から食べるよりはマシ」程度だそうだ。

倍のカロリーまでは許す「ごほうび作戦」

   クリームたっぷりのケーキや甘い大福も食べたい―そんな人に管理栄養士の小島美和子氏が勧めるのが、ノリ、コンブ、すりゴマ、きなこの「お助け食品」だ。

   食物繊維や、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富なのが共通点で、血糖値が上がりやすい甘いものを食べる前に食べたり、おやつそのものに振りかけたりすると、食物繊維がプラスされて血糖値の上がり方がゆるやかになり、脂肪に変わりにくくなる。

   特にオススメはコンブだ。噛みごたえがあって満足感が出るので、後に食べるものを控えられる。味付きのものでもOKだ。

   ケーキにすりゴマやきなこを振りかけると、香ばしさが加わって意外と美味しい。

   心理学者の今田純雄氏は「ごほうび作戦」を勧める。普段は1日200キロカロリーに抑えている間食を、週に1回程度、倍の400キロカロリーまで許容し、好きなものを食べる。

   「ごほうび」の日は定期的でも、記念日など不定期に設定してもよいが、事前に計画するのが大切で、「思い付いたから今日をごほうびの日にしちゃおう」はNGだ。

   番組が取材した専門家は、太らず、健康に間食を楽しむために重要なのは「間食を味わい尽くす」ことだと口を揃えた。

   目で見て、鼻で香りを感じ、口で味や食感を楽しみ、そして「素敵なお店で食べている」「有名なシェフが作っている」など、頭でも味わう。脳の満足感が高まり、少量でも「食べた~!」という気分に浸れる。