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赤ちゃんの人気名前、2017年生まれ発表 昭和では30年間トップ10入りの名があった

   明治安田生命が毎年行っている「生まれ年別の名前調査」で、2017年生まれの子の調査結果が2017年11月28日に発表された。最も人気だった名は、男の子が「悠真」「悠人」「陽翔」の3つ、女の子は「結菜」と「咲良」の2つだった。

   赤ちゃんの名前は、その時代の世相を反映すると言われる。2017年の傾向について、明治安田生命ではある特徴に触れている。

  • 「サクラ」と読ませる女の子の名前が人気
    「サクラ」と読ませる女の子の名前が人気
  • 「サクラ」と読ませる女の子の名前が人気

東京五輪控え「日本らしい」イメージ人気か

   発表資料の中で取り上げられたのは、女の子の「咲良」(1位)、「さくら」(6位)の、「桜」を連想させる名前と、男の子の「大和」(9位)だ。こうした「和風」の響きをもつ名が人気を集めた点について明治安田生命では、2020年の東京五輪を控え「日本人としてのアイデンティティー」を意識する場面が多いからかもしれないという。来年も「日本らしい」イメージの名前の人気を予測した。

   「サクラ」と読ませる女の子の名前がトップ10入りした2013年、東京五輪の開催が決定した。リオデジャネイロ五輪が行われた16年には2位に躍進している。男の子の「大和」は、2005年に9位に入り、09年にはこれまでで最高の3位となった。以後も10位以内の年が多かったが、16年は13位に後退していた。

   過去に日本で行われた五輪の前も、似たような傾向があったのか。前回の東京五輪は1964年、その2~3年前のランキングを見てみた。上位にあるのは、男の子が「誠」「浩」「豊」、女の子は「久美子」「由美子」「恵子」だった。特段「日本らしさ」をイメージさせるような印象はない。1972年の札幌冬季五輪でも同様だ。ただ98年の長野冬季五輪では、2年後の2000年に女の子の名前の1位が「さくら」になった。五輪後なので別の理由かもしれないが、それまで「圏外」から突如急上昇したのは事実だ。

26年間で1位に23回輝いた名前

   生まれ年別ランキングは驚くことに1912年(明治45年、大正元年)から記録が残っている。当時と今を比べれば、人気の名前は大違いだ。また、その時代に影響を受けて付けられたと感じさせる名前もある。例えば太平洋戦争中の1942年~45年、男の子の1位は「勝」だった。2位以下も「勇」「勝利」といった、「戦争に勝つ」ことをイメージさせる名が続く。ところが終戦翌年の1946年の1位は「稔」で、4年連続首位だった「勝」は圏外に消えた。

   女の子で特筆すべきは「和子」だ。1927年に初の1位となる。2位は「昭子」だった。前年の12月25日に改元され、昭和が始まっており、名前に「昭和ブーム」が起きたと予想できる。

   1928年以降も「和子」はトップを独走し続け、39年まで13年連続1位。52年までの26年間で実に1位23回、2位3回だ。トップ10内には、59年の1年間だけを除いて60年までその名を見ることができる。戦前から戦後に渡り、時代が動いても長期間にわたって強く支持された珍しい例と言える。