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46年ぶり!国内で「皆既日食」 見る際はコレを忘れずに

   日本国内で実に46年ぶりに観測できる「皆既日食」が2009年の大きな話題として取り上げられている。絶好の観測地となる鹿児島・トカラ列島への観測ツアーも早々と組まれ、応募が殺到しているという。ただ、「トカラまでは・・・」とあきらめることはない。例えば、都内にいても「部分日食」は見ることができるのだ。今回は、その際に役立ちそうな「日食グラス」なるものを紹介する。

東京で見れる「部分日食」は午前9時55分ごろから

国立天文台のHPにも2009年7月22日の「皆既日食情報」が掲載されている
国立天文台のHPにも2009年7月22日の「皆既日食情報」が掲載されている

   そもそも皆既日食とは、太陽・月・地球が一直線に並び、地球から見て太陽が月に奇麗に隠れる状態をいう。部分的に隠れるのであれば「部分日食」だ。

   この皆既日食が今年7月22日、久々に国内で観測できる。前回観測されたのは1963年7月21日で、実に46年ぶりのこと。奄美大島北部、トカラ列島、鹿児島県の種子島などが皆既日食帯に含まれている。

   そのほかの全国各地では部分日食の観測が可能。ちなみに、国立天文台の皆既日食の情報ページによると、東京では同日9時55分ごろから「食」がはじまり、12時30分ごろに終わる(最大は11時12分ごろ)。

誤った方法で太陽光を見ると「網膜症」に

ビクセンの「日食グラス」。写真は全国の小中高等学校等に配布したもの。
ビクセンの「日食グラス」。写真は全国の小中高等学校等に配布したもの。

   さて、その「日食」を観測する際に気をつけたいのが「目」への影響。強い太陽光を誤った方法で見ると、「日食網膜症」など、目に大きな損傷を負う危険性があるからだ。

   そこで活躍しそうなのが、天体望遠鏡や双眼鏡のメーカー・ビクセン(Vixen)が販売する「日食グラス」。「世界天文年2009日本委員会」公認で、いわば、太陽観察のお墨付きグラスで、皆既日食が話題になり始めた09年の年明けから商品に関する問い合わせが増えているという。

   この日食グラスは、ビクセンが独自開発した高品位遮光プレート「ソーラープロテック」を使用しており、紫外線や赤外線などを遮ることができる。両手で包み込むようにして持って、目の部分にあたる遮光プレートから太陽をのぞいて使う。

   ただ、観測時にはいくつかの注意点があり、ビクセンの都築泰久さんは次のように呼びかけている。

「顔を覆うデザインにはなっていますが、実際には横からも光が入ってくるため、数分おきに休むことが必要です。また、時期的には夏になりますから、帽子をかぶって熱射病対策もお忘れなく。そして、グラスをかけるとまわりがまったく見えなくなるので、注意してください」

   ちなみに、サングラスや黒い下敷き、感光したフィルムを代用品として使う人も多いが、これらは紫外線や赤外線などをカットできない。そのため、長時間見続けると、網膜症をわずらう危険があるので注意が必要とのことだ。

   また、この日食グラスは、自然科学研究機構・国立天文台ならびに科学技術振興機構(JST)の協力もあり、全国の小中高等学校や主な科学館等に各1個の割合で配布するという。

「天体観察はふだん夜行うものですが、その場合、高い機材が必要だったりします。ですが、今回の日食は手軽に天体観測できる良い機会です。太陽・月・地球の位置関係がよくわかることでしょう。ただし、観測の時に目を痛めてしまい、天体観測が危ないものだと思われてしまったら残念。安全に配慮して、楽しんで欲しいと思います」(前出の都築さん)

   同商品はビクセンのホームページに掲載されていて、ヨドバシカメラやビックカメラなどで購入でき、店頭には2~3月に並ぶ予定とのこと。価格は1500円程度となる見込みだ。