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子育て世代を支援する「住ソフト」の新提案

   すまいから子育てを支援しようと、旭化成ホームズは2009年12月1日から「くらしノベーション」プロジェクトの第1弾として、「+NEST」を提案する。家族間のコミュニケーションを深める暮らしを提案する、住生活(ライフスタイル)提案型の「住ソフト商品」で、子育て世代を「家事」や「子育て」、家族それぞれの「自立」という側面から総合的に支援する設計になっている。

「+NEST」は一戸建てからマンション、リフォームも対応

「+NEST」空間のイメージ
「+NEST」空間のイメージ

   「+NEST」は、同社の住生活総合研究所のひとつの研究成果といえる。少子高齢化社会のなかで、30歳代を中心とする若年世代の子育て支援、共働き世帯の支援を狙いに、「家族の時間をじょうずに重ねて楽しい時間に変える住まいの工夫」というコンセプトから生まれた。

   たとえば、主婦が働きながら子育てするのは、いまや当たり前。母親ができるだけ子どもと接する時間をつくりたいと思うのは自然なことだ。

   旭化成ホームズ住生活総合研究所によると、リビングダイニングで勉強する子どもは小学4~6年生で8割近くに上る。しかし、母親にとって、子どもがリビングダイニングで勉強することは、テレビや音楽を楽しみにくかったり、テーブルの周りが汚れたり、食事の支度の邪魔になったりするので悩みのタネでもある。

   そこで「+NEST」は、リビングダイニングの一角で「+NEST空間」というスペースを設け、子どもが親の気配を感じながら勉強でき、母親も子どもの様子を見ながら台所仕事ができるようにした。

   「ペニンシュラキッチン」からは、食事の支度をしながら子どもの学習のようすがうかがえるし、子どもが学校からの帰宅後にモノを放り出したままにしないよう、「家族ロッカー」を玄関とリビングダイニングの間に設置。ロッカーの扉にあるマグネットが使えるホワイトボードは子どもと、ふだんは忙しい父親とのコミュニケーションを演出する。

   子育て世代は洗濯物も多い。家族が「行き交う」廊下ホールの一角に、広さ2畳程度の「室内物干しコーナー」を備え、夜間の洗濯による「見栄えの悪さ」と「乾き」に配慮した室内干しのスペースを用意した。

   「+NEST空間」「ペニンシュラキッチン」「家族ロッカー」「室内物干しコーナー」で価格は約60万円になる。

都市型住宅から見えてくる新しいライフスタイル

   じつはリビングダイニングの一角に子どもの学習スペースを置く「NEST空間」の提案は、2007年から東京営業部で試験的に取り入れていた。発売から1年半、「NEST空間」の採用率は東京営業本部での全契約棟数の14%と好評だった。

   こうした暮らしのあり方、ライフスタイルから住生活を研究してきた住生活総合研究所は、最初の研究テーマだった「二世帯住宅研究会」の設立から30年になる。

   「都市型住宅を考えると、新しい暮らしが見えてくる」(熊野勲所長)と、2世帯住宅や共働き家族向け住宅、ペット共生住宅などの住生活提案型の一戸建て住宅を生み出してきた。30周年を機に、マンションやリフォームを含む「すまい」の住ソフトを提案することを全面に押し出し、「くらしノベーション」ブランドとして発信。研究所の名称も、12月1日より「くらしノベーション研究所」に改称する。

   今後は「環境」や「子育て2世帯」といったテーマを研究していく。