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知っていた? 植物性調理油に「コレステロール」含まれず

   コレステロール低減作用がある"植物ステロール"など各種栄養成分を卸販売するエーザイフード・ケミカルが30~59歳の既婚女性500人を対象に「食生活と健康、コレステロールに関する意識調査」を行ったところ、「コレステロール」に対する認識が不十分で、誤解している人も多いことが分かった。

「高コレステロールによる疾患が死因の3分の1」、認知度6割

   まず、コレステロールの認知度は100%だが、その内容となると、「ある程度知っている」「詳しく知っている」を合わせて75.2%で、「名前だけ知っている」は24.8%だった。さらに、「高コレステロールが及ぼす影響」に関する問いでは、「糖尿病」「ガン」といった、高コレステロールが引き起こす直接の原因ではない疾患・症状を答える人もおり、「高脂血症、動脈硬化、心、脳血管疾患につながることや、それらが日本人の死因の3分の1を占めていること」への認知度は約6割にとどまっている。

   こうした、コレステロールに対する誤解や認識不足は、じつはコレステロールが含まれていない植物性調理油に「コレステロールが含まれている」と思っている主婦が約6割(60.4%)に達していることからも分かる。

コレステロール抑制にサプリメントや成分添加食品も有効

   また、調査対象が主婦だけに、家族や自身の食事について「栄養バランス」や「量」、「塩分」「カロリー」などを気にしている割合は高かった。この結果からは、主婦が料理や食事で気にするポイントは、肥満や高血圧対策になっているようだが、自身や夫の健康診断で明らかになった異常値は「高コレステロール」(夫・3位、自身・1位)が上位になっている。ただ、主婦たちも、コレステロール値を気にしていないわけではなく、「夫のコレステロール値を気にしている」という人は59.4%、また、自身のコレステロール値を気にしている」という人も61.8%いた。

   この結果から、コレステロールの高さを気にしている主婦は多いが、実際の食生活で明確に対策している人は少ないと推測される。

   食品の栄養成分と健康にもたらす影響について詳しいお茶の水女子大学大学院 生活環境教育研究センターの近藤和雄教授は、

「もともと日本人の食生活は"野菜・果物・豆類"などの植物性食品が中心で、食生活の中でコレステロールを調節することができていたといえますが、近年の食生活の欧米化により動物性脂肪摂取が増加し、コレステロール値も高くなってきました。コレステロール値をうまくコントロールするには、食生活を見直し、バランスの良い食事を心がけるとともに、コレステロールを抑制する成分がある食材(野菜などの植物性食品)を多く食べたり、足りない分はサプリメントや成分添加食品などを補助的に取り入れたりすることも良い方法です」

と語っている。