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災害への備えは「サイクル保存」 ロングライフ製品で日常的に対策を

ロングライフ製品
ロングライフ製品

   「サイクル保存」という言葉をご存知だろうか。9月1日の「防災の日」、また東日本大震災からも半年を迎え、改めて「防災」への意識が高まる中、日常の中で非常時の「食」に備えるこのワードが注目を集めている。

日常的な「買い置き」と「備蓄」を両立

   「サイクル保存」は日常的な「買い置き」と非常時への「備蓄」を両立させようという考え方で、買い置きした食品の賞味期限を定期的にチェックし、期限が切れる前に普段の食事で消費した後、新しいものを補うことで備蓄のサイクルを確立しようというものだ。

   たとえば森永食品の「ロングライフ製品」は充てんの際の無菌化を徹底することで、保存料を使わずに牛乳で60日間(常温)、豆腐で300日間(冷蔵)という長い賞味期限を実現している。牛乳や豆腐は保存期間が短い印象が強いが、こうしたロングライフ製品を活用すればいざというときの栄養源として大変効果的だ。

長期保存できる「ロングライフ製品」がカギ

   宮城県による2011年4月の調査によれば、今回の震災に際し、主菜(たんぱく質)が1日3食提供された避難所は8.5%に過ぎず、また牛乳・乳製品は85.4%の避難所が1日に1度も提供できない状況だった。栄養の偏りを避けるためにもたんぱく質や乳製品など、いざというときのために手に入りにくい食品に関しては個々人の備蓄がカギとなってくる。

   日本大学生物資源科学部の清水みゆき教授は、今回の震災のように避難生活が長期化する災害では、

「数日程度であれば、炭水化物中心の食事が続いても体にあまり支障はないものの、それが長く続いてしまうと、たんぱく質やビタミンが不足する事態となります」

と指摘しており、ロングライフ製品など長期保存できる食品を普段の生活の中に取り入れ、非常時にも日常の食生活に近い食事ができるよう備えておくことが重要だと語っている。