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「ヤクザと原発」の主役は「ヤクザ」じゃない?読者「いい意味で裏切られる」

『ヤクザと原発 福島第一潜入記』
『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(鈴木智彦・著)
文藝春秋

   著者自ら作業員として福島第一原発に潜入し、「ヤクザ」と「原発」との関係を描いてベストセラーとなった『ヤクザと原発』だが、Amazonのレビュー欄にはタイトルについて、「いい意味で裏切られる」といったコメントが相次いでいる。

「この本は、それ(※編集部注:暴力団についての問題)だけにとどまらず、造血幹細胞をめぐる医療界、政府の対応や、マスコミ報道の不十分さなど、2011年の3月からの原発をめぐる状況、問題点をえぐり出しています。そして何より、この時期の作業員達が、どういう事情や思いであの場所にいたのか。そしてあの場所で何が行われていたのか」
「なるほど、と思ったのが原子力発電所は人が少ないところというより『村社会』の残っている地方に作るというくだり」
「『死んでもいい人間を用意してくれと言った』ばかりが強調されていますが、この本を読んだところ、他の問題の方が重要な気がしました。造血幹細胞の採取、線量を低く見せる裏技、熱中症との戦い、20km圏内の現状などなど」

   多くのレビュアーが指摘するように、「ヤクザだけじゃない」この一冊。その正体は、実際に手にとって確かめてほしい。