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【北京発】オヤジ「腹出しルック」が街に出現 「中国ビール&納涼」最新事情

   7月になって暑い日が続いている。北京は東京より緯度が高く、日本の東北に当たることから「涼しいのでは」と誤解する日本の友人も多いのだが、とんでもない。35度Cを超える日が続くのも珍しくない。ちなみに北京の過去最高気温は42度だという。

   夏というとビール、というのは酒飲みの連想だ。中国のビールというと、青島(チンタオ)ビールも有名だが、ほかにも「燕京ビール」のような中国産ビールが販売されている。燕京というのは、北京の古い名称で、古代にあった燕という国の首都が現在の北京にあたる。中国のビールは苦味が少なく、あっさり系というか、こくがないけどキレもないというか、ちょっと物足りない感じがすることから、もっぱら外国産ビールを飲んでいたが、イトーヨーカドーで燕京ビールの黒ビールを見つけた。

カフェの外でビール楽しむ姿も

売り場には、様々な種類のビールがならぶ
売り場には、様々な種類のビールがならぶ

   早々試してみたところ、確かに通常の燕京ビールより苦味も強くコクはあるが、かなり軽めの黒ビールというのど越しであった。ほかにもバドワイザーが中国で製造するハルピンビール、青島ビールが製造する奥古特ビールなどもある。

   奇妙さから日本人がお土産に使うことも多いのは、燕京ビール製造の「パイナップル味ビール」。こちらは、アルコール分が0.6~2.5 %と表示されており、飲んでもほとんごアルコール分を感じない「ビール風味のパイナップルソーダ」だった。

   全般にビールの値段は、日本より安い。燕京ビールは2.5元、燕京黒ビールは3.5元、燕京パイナップルビールが2.8元。北京ビールが2.7元、ハルピンビールが5.9元とやや高めだが、日本よりはかなり安い(1元は12~13円)。店で出す生ジョッキも安いところでは1杯5元というのもあり、猛暑の日などは、カフェの外のテーブルでビールを楽しむ姿も多く見かける。

若い男性も「腹出し」

「腹出し」や「上半身裸」組も。涼しそう?
「腹出し」や「上半身裸」組も。涼しそう?

   中年男性(いや男性だけではないが)のぽこんと出たおなかを「ビール腹」というが、中国でもこういうおなかは「ピー酒肚(ビール腹)」あるいは「将軍肚(将軍腹)」と呼ぶ。暑くなると夏の風物詩とでもいうか、このお腹を出した「腹出しルック」があちこちに出現する。上半身裸ルックも合わせて出現するが、ポピュラーなのは腹出しだ。日本でもヘソ出しルックが流行ったことがあるが、これは普通のシャツの裾を丸めて、腹部を露出する方法だ。中年男性だけかと思ったら、若い男性でもやっているので、世代を超えた暑さ対処法なのかもしれない。

   さすがに真似はできないが、35度を超える蒸し暑い日などは、ちょっとこの「ビール腹出しルック」がどのていど効果があるのか試したくなる。

文:小林真理子

【プロフィル】
小林真理子(こばやし まりこ)
北京在住3年のフリーランスライター&翻訳業。
趣味は旅行と武道。