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専用マイボトルで「こだわりのおいしさ続く」 サントリー×サーモス「次世代飲料」共同開発

   専用ボトルでいれたての温度と香りをキープ――サントリー食品インターナショナルとサーモスは、マイボトルドリンク「drop(ドロップ)」を共同開発した。専用マイボトルに入れることで、時間が経っても楽しめるという「次世代飲料」だ。

   サントリーが専用密封ポーション入り濃縮飲料「dropポーション」を、サーモスが「drop専用ボトル」を開発し、2013年10月下旬から1都3県のセブンイレブンで先行販売する。2社による記者発表会が7月8日に都内で開かれた。

ビンから缶、ペットボトルへ、その「次」は…

小郷三朗氏(左)と樋田章司氏(右)
小郷三朗氏(左)と樋田章司氏(右)

   節約志向やエコ志向などを背景に、「マイボトル」の利用増加に着目した飲料。専用ボトルに味わいを凝縮したエキスを圧縮して入れ、お湯か水を注ぐだけで完成する。登壇したサントリー食品インターナショナルの取締役副社長・小郷三朗氏は、「従来のビンや缶やペットボトルに入ったRTD(ready to drink)飲料とは異なる、こだわったおいしさや品質を持ったマイボトル専用ドリンク」と胸を張った。

   小郷氏によると、飲料市場は容器の進化とともに拡大してきた。70年代はビン入り、80年代は缶入り、90年代後半はペットボトルが登場。そして、最近ではサーモスなどのマイボトルを持ち、インスタントのお茶やコーヒーを飲むライフスタイルが定着しつつある。「drop」はその延長線上に位置づけられ、「もっとバリエーションが欲しい」「ホット・コールドも気分で選びたい」などといった、自分で作る飲料への新たなニーズに応えたものだ。

   また、この商品投入の理由として、1週間の総水分摂取量に占める茶葉やインスタントなどの飲料が52%を占めるというデータを挙げて新規需要チャンスであると主張し、中期計画として「dropポーション」の年間2億4000万個規模の販売目標をぶちあげた。

「RTDと従来のインスタント飲料との間に新しい市場を開拓し、新たな進化の1ページを加えられればと思う」

「dropポーション」を圧縮し、水かお湯を注ぐだけ

ハンドルで「dropポーション」を圧縮
ハンドルで「dropポーション」を圧縮

   使用方法は、「dropポーション」の複数あるフレーバーから1つを選び、真空断熱仕様の「drop専用ボトル」のフタを開けて、内部の「ツメ」の部分にセット。ロックを解除したハンドルを持ち上げ、「dropポーション」を圧縮する。あとは、水かお湯を注ぐとできあがり、ボトルからそのまま飲める。

   ポーションには香りを高めるため、水分を飛ばす「濃縮」を行わず、少量の水で繰り返し抽出して高濃度のエキスを取り出す「非濃縮高濃度抽出」が採用されている。香りをパッケージに封じ込めるサントリー独自のエスプレッソ抽出技術も活用した。さらにペットボトルなどの清涼飲料水とは原料が大きく異なり、通常は分離・劣化しやすいなどの制約がある固形分やオイル分を豊富に使用している。

   通常では酸化によって30分前後でおいしさが損なわれるが、同商品では2~3時間後も温度と味わいが続くという。ボトルのサイズは幅11.5×奥行8.5×15センチで、実容量0.28リットル。希望小売価格はポーション1フレーバー(25ミリリットル)90円で、専用ボトルは1980円。フレーバーは「HOTでおいしいオレンジ」など12種類を用意した。

   サーモス代表取締役社長の樋田章司氏は、

「今回の協同開発によって、サーモスが提唱しているマイボトルを使った快適で環境にもやさしいライフスタイルの実現に一歩近づいたのではないか」

と自信を見せていた。