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25年以上もほったらかし!? 約9割のクリーニング店にある「放置服」の実態

   全国のクリーニング店の約9割が、衣服を数か月にわたり取りに来ない客を抱えていた。クリーニングの業界団体が初めて実態を調査し、明らかとなった。

   季節の変わり目を迎えているきょうこの頃、クリーニング店を利用する機会も増えるに違いない。ネットでは「クリーニング屋さん可哀想。お客身勝手すぎる」などと話題になっている。

  • 引き取りに来ないから…(写真は、イメージ)
    引き取りに来ないから…(写真は、イメージ)
  • 引き取りに来ないから…(写真は、イメージ)

200点以上「放置」されている例も

   全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(全ク連)が2017年8月、全国から無作為に抽出した組合員を対象に調査すると、回答した427業者の87.4%が「長期間放置品がある」と答えた。長期間放置品は、仕上がり予定日を過ぎて数か月から1年程度経過しても、引き取られていない品物を指す。

   古いものは、25年以上も放置されていた。「一番古いものでいつ頃のものがあるか?」と87.4%の事業者にたずねると、「3~5年未満」(23.2%)がトップだったが、「10~15年未満」(14.0%)や「15~20年未満」(11.1%)、「20~25年未満」(10.0%)、「25年以上」(5.9%)など、2ケタ超えの事例も少なくない。

   長期間放置品の数は、「10~19点程度」(27.2%)、「1~9点以下」(24.2%)、「20~49点程度」(23.9%)、「50~99点程度」(14.5%)、「100~199点程度」(7.8%)、「200点以上」(2.4%)の順だった。

   9月22日朝の情報番組「スッキリ!」(日本テレビ系)でも、この調査結果は取り上げられた。番組が取材した創業67年のクリーニング店「GINYOSHA」(東京都中野区)では、約80品が保管されていたという。店のオーナーは

「夏場は高温多湿なので、安定した温度で保管しなければならない。エアコンを付けっぱなしにして25~6度で空調を管理するのが一番大変」

と話した。

   一定期間経ったものは勝手に処分してはいけないのか? J-CASTトレンド編集部が22日、調査の広報を担当する事務局に取材したところ、担当者は

「クリーニング店に預けられた衣類や布団などの所有権は法律上、預けた人にあるため、連絡が取れなくても、店が断りなく処分することはできません」

と話していた。

「お客身勝手すぎる」「廃棄処分でいいと思います」

   今回の調査結果がインターネットやテレビで報じられると、ツイッターやネット掲示板などでは

「クリーニング屋さん可哀想。お客身勝手すぎる。倉庫か何かと勘違いしてるのかな?」
「一定期間が過ぎたら廃棄処分でいいと思いますよ。引き取りにこない時点でどうかしてます」
「実家が昔クリーニング店でした。父が亡くなって店たたむ時かなり出てきましたが処分するわけにもいかず連絡もつかず中にはお金払わずもあり大変困ってました。きちんと規定作らないと駄目ですね」

と、引き取りに来ない客に批判的な声が上がった。

   長期間放置品のない事業者もこうしたトラブルを避けるため、さまざまな対策を取っている。調査で「ない」と回答した12.6%の事業者は、

「受付の際は必ずTEL番号を聞く。2か月過ぎても来店ない時はTELをする。配達する」
「新規の御客様に対しては電話番号を伺い、3か月経っても取りに来られない時は、クリーニング代の10%を保管料としていただきます」

などの対処法を挙げていた。