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いまだ止まぬ危険な「あおり運転」 ドライブレコーダーの販売4割増

   他人の運転に腹を立てて、その車両を追い回す危険な「あおり運転」が後を絶たない。死亡事故につながる悲惨な事例も報告され、社会問題化している。

   その影響か、運転中の様子を撮影する「ドライブレコーダー」(ドラレコ)の販売が好調だ。2017年は前年比で約4割増という調査がある。

  • ドライブレコーダーの利用者が増えている(写真はイメージ)
    ドライブレコーダーの利用者が増えている(写真はイメージ)
  • ドライブレコーダーの利用者が増えている(写真はイメージ)

昨年10月の「事故報道」以降に販売台数急伸

   調査を行ったのはGfKジャパン。2018年2月19日、昨年のドラレコの国内販売台数とその動向を発表した。

   年間販売台数は109万台で、前年比38%増。1~9月は前年同期比9%増だったが、10月になると同2.6倍、11月に2.4倍、12月も1.7倍と急伸した。

   GfKではこれについて、あおり運転が発端とされる死亡事故の報道を受けたものと見る。昨年6月、神奈川県大井町の東名高速道路で、パーキングエリアでの駐車の仕方を注意された男が激昂し、相手のワゴン車を追いかけて危険行為を繰り返し、進路をふさいで無理に停車させたところ後ろから来た大型トラックがワゴン車に衝突、乗っていた夫婦が死亡する事故が発生した。あおり運転をした男が逮捕されたのは10月で、以後大きく報道されることとなった。

   GfKは17年12月18日、あおり運転に関する調査も発表している。同年11月、全国のドライバー約1万3500人を対象に行った調査で、運転中にあおられた経験をたずねたところ、「よくある」が5%、「たまにある」が35%で、合わせて4割に達した。あおられた経験ありと答えた人も合わせると、全体の9割に上った。

ニーズは2万円以上と5000円未満の二極化

   先述のGfKによる18年2月の調査によると、2017年のドラレコの平均価格帯は前年から1%上昇し、1万4000円台。ただニーズは高価格帯製品と低価格帯製品の二極化が進んだのが特徴で、2万円以上の製品は前年の17%から19%へ、5000円未満の製品も同11%から14%へと、それぞれ拡大した。

   商品価格比較サイト「価格.com」でドラレコの「売れ筋ランキング」を見ると、1位は2万7800円の製品、2位は9980円の製品と価格の高低が分かれた。同ランキングのトップ10の中に、2万円を超える製品が4つ、逆に1万円を切る製品も3つランク入りしている。

   なおGfKは、17年10月のあおり運転事故報道以降は、全方位的な撮影ができるような高価格帯製品が伸び、12月には2万円以上の構成比が26%に達したとしている。