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新型コロナ「自宅隔離」できない人に ホテルを「シェルター化」で感染防ぐ

   家にいられない、家に帰りたくない、家以外の拠点が欲しい・・・。新型コロナウイルス感染拡大で、「自宅にいることが安全」とは限らない人と稼働率が低くなっているホテルとをマッチングさせる試みが始まっている。CHILLNN(京都市)が2020年4月15日に発表した「ホテルシェルター」プロジェクトだ。

  • 「ホテルシェルター」プロジェクト
    「ホテルシェルター」プロジェクト
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通勤電車が不安、高齢者と同居している...

   客室を貸し出す対象は、新型コロナウイルスに感染しておらず、家にいると感染リスク・ストレスとなる人たち。通勤電車が不安で、徒歩・自転車圏内に仮住まいが欲しいと考えている人や医療従事者、高齢者や基礎疾患のある家族との同居者、家庭内暴力や虐待など家族と過ごすことで安全を脅かされる人などだ。

   1泊3000円から1週間単位。個人利用者の先行申し込みを開始しており、J-CASTトレンドが2020年4月20日に取材するとCHILLNN広報は、「既に300人以上から事前申し込みが寄せられている」と回答した。

   ただ「シェルター」として期待される場所が「クラスター」になっては元も子もない。CHILLNNは現在、医療関係者による指導のもと、一定のエリアを非清潔区域と清潔区域に分類する「ゾーニング」、非対面チェックイン、事前決済、防護アイテムを着用しての客室清掃などを盛り込んだ「運営ガイドライン」を作成中だ。安全配慮のため連泊時のステイ清掃は行わないなど、従業員と利用者の安全を守れるよう努めている。

子どもの「留守番先」になり得る可能性

   子を持つ共働き世帯にとって、休校期間が長引くと子どもの留守番が悩ましい。仕事の都合でどうしても外出する必要があり、子どもを家に置いていかねばならない人にとって、「ホテルシェルター」は一つの「解」になるかもしれない。CHILLNN広報は「対象年齢や宿泊のための条件面などは検討中ですが、学童や塾の替わりとしての用途も可能だと考えています」。子どもの留守番先としての役割を担えるのでは、というわけだ。

   「ホテルシェルター」は4月中に運営ガイドラインを固め、4月下旬にCHILLNNの関連会社、L&Gグローバルビジネスが運営する「HOTEL SHE,」で試験営業を行う。その後、安全性などが確認されてから、5月以降に他施設へ順次送客する予定だ。

(4月23日追記)内容に一部誤りがあったため、該当部分を削除しました。