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ヤクルト3年に1度「Aクラス」の法則 21年はAクラスなるか

   プロ野球・東京ヤクルトスワローズの成績が低迷している。2019年・20年シーズンと2年連続で最下位だ。近年を振り返ると、13年から18年まで「2年連続BクラスからのAクラス入り」を2度経験している(13年6位・14年6位・15年1位・16年5位・17年6位・18年2位)。

   3年に1度Aクラス入りを果たしているヤクルトだが、来シーズンはこのまま3年連続6位となるのだろうか。

  • 画像は神宮球場
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Aクラス時には打線と救援が活躍

   Aクラス入りを果たした時のヤクルトを振り返ると、スター選手の補強などがあったわけではない。一方で印象的なのは打線の強さと救援投手の活躍だ。

   15年(優勝)のチーム打率と得点数はリーグ1位。チーム防御率は4位だったものの、トニー・バーネット投手は最多セーブタイだ。さらにホールドポイントランキング上位11人のうち、ヤクルトの投手が3人と最も多く、そのうちローガン・オンドルセク投手は2位だ。18年(2位)でも、チーム打率は1位で得点数は2位。チーム防御率4位ながら、守護神・石山泰稚投手はセーブ数2位。近藤一樹投手は最優秀中継ぎ投手となった。

   一方で、Bクラスに転落した16年(5位)はチーム打率と得点はそれぞれ2位ながら、防御率は4.73で最下位。19年(6位)のチーム得点数は2位だったが、防御率は4.78で最下位。同様に、中継ぎや抑えで特筆すべき活躍をした投手はいなかった。

   20年はさらに低迷し、チーム打率も防御率も6位だった。打の主力ではウラディミール・バレンティン外野手が福岡ソフトバンクホークスに移籍しており、山田哲人内野手も打率.254(前年.271)と不調に終わった。先発陣の防御率はアルバート・スアレス投手(防2.67)以外全て3.90以上だ。

   ただし来年のAクラスに向けた希望はある。選手の攻撃力を示す「OPS」では、村上宗隆内野手はリーグ1位で青木宣親外野手は2位。さらにホールド数リーグ最多は清水昇投手で、セーブ数でも石山投手が今季リーグ3位だ。

   また、清水投手の他にも奮闘をみせた若手中継ぎ陣がいる。寺島成輝投手(22)は30登板で防2.48。今野龍太投手(25)は20登板で防2.84。梅野雄吾投手(21)(42登板・防3.61)も、7月から9月にかけては23登板で防御率2.59と安定感をみせた。

村上に青木を有するものの

   前述の通り、近年のAクラス入りを果たした際には打線と救援投手が活躍していた。目立った救援投手がいなかった19年と異なり、20年には清水投手が最多ホールドと頭角を現しており、抑えの石山投手も好調だ。

   打者では村上内野手に青木外野手とトップクラスの選手を有しているが、他に目立った選手はいない。Aクラス入りに必要な打撃力を発揮するには、打率3割・30本塁打・30盗塁を過去に3回達成している山田内野手が本来の調子を取り戻す必要がありそうだ。