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「官公庁オークション」にニンテンドースイッチ複数出品 自動車や不動産だけじゃない

   行政機関が公有財産などを出品するサイト「KSI官公庁オークション」。官公庁オークションのサイトは以前にも2004年から2021年3月までヤフーが運営しており、現サイトは2021年7月8日にサービスを開始したばかりだ。

   使われなくなった消防車から建築物・土地と、様々なものが出品されているが、なんと人気ゲーム機「Nintendo Switch」(スイッチ)まで公売にかけられている。

  • 「プレイステーション4」も出品されている(画像はKSI官公庁オークションから)
    「プレイステーション4」も出品されている(画像はKSI官公庁オークションから)
  • 「プレイステーション4」も出品されている(画像はKSI官公庁オークションから)

ゲームソフト3本とのセットも

   スイッチは、品薄が続いているゲームハード。通常版は定価3万2978円(税込・以下同)のところ、フリマアプリ「メルカリ」では3万9000円といった価格で転売されている。

   「官公庁オークション」上では2021年7月15日現在、高知県香南市から出品されている。「経年劣化等により汚れ及びキズ」が存在するとのことで、「見積価格」は7000円だ。

   他にも栃木県那須塩原市からはスイッチ本体とゲームソフト「ポケットモンスター ソード」「スーパーマリオメーカー2」「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」のセットが出品。こちらの見積価格は1万4000円だ。また、高知県いの町からも見積価格2万円でスイッチ本体が出品されている。

   これらはいずれも「インターネット公売」として出品されている。税金滞納者が差し押さえられた財産を出品しているもので、落札代金は未納税金などの支払いに当てられる。

   J-CASTトレンドは那須塩原市・総務部収税課のネット公売担当に取材した。差し押さえられた財産のうち金銭的な価値のあるものは、テレビといった家電製品など、特定のジャンルに限らずたびたび公売にかけられる。ゲーム機も価値があるものとしてこのように出品されているという説明だ。

   今回のスイッチはいずれも、何回でも入札ができる「せり売」形式。「見積価額」を最低価格としてスタートし、入札期間終了時に最も高い額で入札していた人が落札できる。

「PS5」も公売に?

   入札するには、まず「官公庁オークション」の会員登録を行い、「参加申し込み受付期間」中の物件(出品物)に対して「参加申し込み」をする。この時、クレジットカードなどで「保証金」の納付が必要な場合もある。

   参加申し込み受付期間を過ぎると、入札期間に移行する。落札できたら、銀行振込やあるいは市役所での支払いといった形で代金を納付する。落札した物件は市役所で直接もらうか、発送で受け取ることも可能だ。

   ゲーム機が公売にかけられること自体は「それほど珍しいケースではございません」とネット公売担当者は話した。

   人気のゲーム機といえば、ソニーの「プレイステーション5」(PS5)も思い出される。記者が調べた限り、官公庁オークションでPS5の出品は見つからなかった。ネット公売担当に聞くと、新型コロナウイルス禍以降ゲーム機の価値も上がっているため、今後PS5が差し押さえられることがあれば、公売にかけられる可能性はあるとのことだ。

   ところで、スイッチは任天堂の保証期間内であれば、正常な使用方法で発生した故障について無償で修理を受けられる。一方で、任天堂公式サイトによると、「お買い上げの製品が、使用後に有償無償を問わず譲渡されたもの(中古品)であった場合」には、修理は有償になるとのことだ。