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熱海の土石流被災地で盗難発生 災害時に現れる犯罪者から財産を守るには

   台風や地震、豪雨などの災害が起きた際、混乱の裏に隠れて、盗難や空き巣が発生する場合がある。

   2021年8月17日付朝日新聞デジタルによると、7月に土石流災害が起きた静岡県熱海市伊豆山の立ち入り禁止区域で、盗難2件、住居侵入1件の犯罪被害があったと静岡県警が発表した。過去の災害でも、空き巣や盗難は発生している。

  • 災害時の空き巣や盗難、防止するには(画像はイメージ)
    災害時の空き巣や盗難、防止するには(画像はイメージ)
  • 災害時の空き巣や盗難、防止するには(画像はイメージ)

人の目があるだけで犯罪行為を思いとどまる

   2019年「令和元年東日本台風」では、茨城県水戸市では河川氾濫が起き、複数の住民が避難所生活を余儀なくされた。この時、現地では空き巣被害が相次いだ。2019年10月23日付産経新聞(電子版)によると、台風上陸後から10日間で、水戸市内では空き巣の被害届が5件あった。被害に遭った住宅の近隣住民によると、窓ガラスやドアが壊され、室内に物色された跡が残っていたという。

   同記事では、15年の「平成27年9月関東・東北豪雨」でも、茨城県常総市で数十件の窃盗被害が発生したと報じている。では、こうした被害を防ぐにはどうすればよいか。

   ALSOKは、公式サイト上で災害時に起きる犯罪についての防犯対策を紹介している。災害発生時は、まず人命救助が最優先のため、防犯面が手薄になっていると判断して被災地を狙う不審者が増加するそうだ。

   実際に効果があった対策には、「夜回り」と「見張り」を挙げている。夜間に住宅街を見回り、日中も街に人を立たせ、人の目があることを意識させて犯罪発生を抑止する方法だ。いずれも、地域ぐるみの協力が必要な防犯対策となる。ALSOKによると、こうした対策は原始的だが、人の目があるだけで犯罪行為を思いとどまる人は多いという。

避難所でも盗難に注意

   自分ひとりでできる対策法もある。神奈川県相模原市の公式サイトでは、台風などの災害に便乗した空き巣等に対する注意喚起を掲載している。避難する際は、焦らず確実に自宅を施錠し、財布などの貴重品は持ち歩くようにしよう。また、車を所有する場合は乗車の有無を問わず、必ずカギをかけよう。車内には外から見えるところに物を放置しないよう呼びかけている。

   2021年8月頃から、西日本を中心に非常に激しいが降り続いた。各地で土砂災害や河川氾濫が発生したが、今後もしばらくは雨が続きそうだ。避難の際、しっかり施錠すれば安心、というわけではない。避難所でも盗難や置き引きが発生することもある。

   熊本県警は、過去の大規模災害で、避難所などで置き引きが発生した例に触れ、注意を呼びかけている。同県では現在も、水俣市など複数の地域で避難指示が出されている。熊本県警の公式サイトには、避難所では、貴重品は必ず身につけておくこと、また、携帯電話の充電の際は、盗難防止のため携帯を置きっ放しにしないように、と書かれている。