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「セアカゴケグモ」いまや全国に広がる 激しい痛み、呼吸困難、海外では死亡例

   特定外来生物・セアカゴケグモ。オーストラリア原産とされる毒グモで、日本では1995年11月に大阪府で初めて見つかった。

   大阪府公式サイトによれば、おとなしいクモだが、素手で触れるなどしてかまれると激しい痛みとともに、めまい、おう吐のほか、時には血圧の上昇、呼吸困難などの全身症状が現れる恐れがある。このクモ、既に国内のあちこちで生息している。

  • 黒地に赤い模様、このクモに気をつけて
    黒地に赤い模様、このクモに気をつけて
  • 黒地に赤い模様、このクモに気をつけて
  • 毒性の強いメスの方が大きい(画像は三重県菰野町公式サイトから)

45都道府県で確認済み

   国立環境研究所サイトによると、セアカゴケグモの未発⾒地域は2020年7月時点で青森県・秋田県のみ。北海道から沖縄まで45都道府県で確認済みだ。実際にかまれた被害件数を全国的にまとめたデータは見当たらないが、大阪府は1997年7月から2020年11月までに府内で99件の事例があったと発表している。

   岡山県笠岡市のウェブサイト(2021年8月2日付)によると、セアカゴケグモの毒による国内の死亡例はないが、オーストラリアでは過去に死者が出ている。J-CASTニュースは13年1月21日、同日に福岡市内でセアカゴケグモにかまれた男性が病院に救急搬送されたが、命に別状はなかったと報じていた。

   最近では、島根県浜田市の漁港内で2021年8月11、12日にセアカゴケグモが発見されたと同県が発表。岐阜県でも、各務原市の浄化センターで8月11日に確認しており、報告例が相次いでいる。横浜市は、7月6、15、30日にそれぞれ市内で見つかったと公表している。

   複数の自治体ではセアカゴケグモについて注意喚起を行っている。東京都環境局のサイトによれば、有害なのはメスのみ。体長は約7~10ミリメートルだ。一方、オスの体長は約4~5ミリメートル。いずれも足の長さは含まない。

   また、メスは黒地の腹部の中央に赤い模様を持つ。三重県菰野町サイトでは、オスは白っぽい色をしており、「毒は持っていません」と説明している。

暖かい隙間に注意

   東京都環境局サイトによると、セアカゴケグモは日当たりが良い、暖かい場所にある物陰や隙間に生息する。注意すべきは、

・ベンチの裏
・自動販売機の下
・ブロックやフェンスの隙間
・エアコンの室外機の下
・排水溝のふたの裏や側面
・外に置いてあるサンダルの中 等

だ。駆除方法は、「ピレスロイド系の家庭用殺虫剤を散布」「皮膚に触れないように靴等で踏み潰す」「熱湯をかける」とある。

   被害を受けた場合は、「傷口を流水や石けん水で洗い、医療機関を受診」すること。なお、大阪府サイトでは「できるだけ早く病院に行って治療を受けることが大切です。(病院には咬まれたクモを殺して持参してください。適切な治療につながります。)」と説明。福岡市は「しびれや痛みが全身に広がった時には、救急車を利用してください」としている。