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35歳引きこもり兄、病の母、そして父は... 不気味な実家へ帰省「住みにごり」

【明日のベストセラー(58)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。 6月は「父の日に読みたい家族を描いたマンガ」というテーマでピックアップする。

  • 「住みにごり」
    「住みにごり」
  • 「住みにごり」

「家族との間に不和」抱える平凡な男性

   第58回は、29歳の男性が、久しぶりに実家へ帰省するホームドラマ「住みにごり」(著・たかたけし)。実家には病気で倒れた母、一言も発さない35歳引きこもりの兄、そして凶悪な暴力衝動を抱えた父親が住んでいる。

   主人公・末吉は「帰省した本当の理由」を、同じく帰省中の姉にしか明かせぬまま、実家で過ごすこととなる。強烈な兄と父の存在は独特な画風も相まって一見突飛に思えるが、「どこにでもいそうな20代の主人公が、家族との間に不和を抱えている」のは、広く共感を呼ぶ設定だ。他所の家庭という、閉じた1つの世界を覗いている生々しさが魅力的。不穏な空気が恐ろしくも、読む手が止まらないホームドラマだ。第1話はこちら。